きみに読む物語 | |
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純愛ブームの中で韓国、日本と続いて、とうとう今年の初頭はアメリカ版純愛映画の登場です。
と、前評判が大きい中レディスデイの今日見てきました。
第一印象はとにかく風景が美しい。オレンジ色に染まる夕焼け、きらきらと透き通る湖の湖面。所狭しと泳ぐ白鳥の群の中をこぐボート。レトロチックな町並み、バロック調の豪華な老人ホーム、すべてがファンタジックな世界、メルヘンの世界の中でした。
その中で描かれるのは純粋に恋の炎を燃やした二人の若者といまや老人性痴呆に陥って夫の姿も名前も忘れた老人に語る物語。
まさに題名の通り、一人の老人が、痴呆症で入院している施設にいる老婦人に美しい純愛物語を語り聞かせるのですが、その二人というのはジーナ・ローランズとジェームズ・ガーナー。
二人ともご高齢になられたものです。
私がジーナ・ローランズにスクリーンであったのは「グロリア」という映画。一人の女性が少年を守るためにその明晰な頭脳と俊敏な行動力で悪の手から逃れていくという見事なアクション映画。
監督はジーナ・ローランズの夫で今回の「きみに読む物語」の監督ニック・カサベテスのお父さんジョン・カサベテス。
とにかく冒頭からの銃撃戦から引き込まれていく傑作でした。
そして、ジェームズ・ガーナーといえば「荒野の七人」などの名作では二枚目ながらやや脇に回る好演をした名優です。
この老人が婦人に語る物語は美しい若者たちの恋愛ドラマなのですが、時折見せる婦人の涙が二人の関係を少しずつ私たちに語りかけてくれるのです。
ネタ晴れになるのでこれ以上かけませんが、散文詩のように淡々と進むストーリーテリングのうまさはさすがジョン・カサベテス監督の息子だけのことはあります。
映画王国アメリカが本気で純愛映画を作るとここまで完成された作品になるのかと感動してしまう作品で、すべてのお膳立てが見事でした。
もちろんラストシーンには誰もが涙すること間違いなしです。
よく、「マヂソン郡の橋」と比べる方がいますが、ある意味では似ているかもしれません。
しかしあの作品が大人の恋愛映画であるのに対して、この「きみに読む物語」はまさしく青春映画なのです。
でも最後に、こんな展開はどこかで見たような??と思うところが随所にあります。
ここのシーンはあの映画の物語に似ているな、この展開は昔見た映画に似ているな。とかなのですが、要するに男と女の美しい恋愛物語というのはその顛末はどれもどこか似ているものなのかもしれません