妖怪大戦争~ある夏の冒険記~ 神木隆之介 菅原文太 遠藤憲一 by G-Tools |
角川映画新作「妖怪大戦争」
もちろん1968年の大映版「妖怪大戦争」からのリメイクのようであるが物語は全く違う。
旧作はどちらかというと日本の妖怪が外国からの妖怪の侵略に対して戦うという筋書きであったが、新作はものを次々と捨てることで生まれた怨念に対して日本の妖怪と少年が戦うという物語になっている。
正直、完全に子供向けの作品に仕上がっていた。
また一方でグループ「怪」の水木しげる、荒俣宏、京極夏彦、宮部みゆきらの自己満足映画であったようにも思える。
全編にリズムがなく、ポイントもぼやけて、悪のカリスマ性が全く見られず、正義の妖怪達の個性がほとんど無視された物語展開。
CGの迫力もないし、テーマ性もほとんど見えてこない。起承転結も勧善懲悪もはっきりしない惰性で作られ、ノリで作られた作品。とにかく、導入部分からほとんどのめり込めないし、主人公の神木隆之介の演技がなっていない。おもしろみがないというか見所がないというか、「インストール」の時はもっと輝いていたのに、その才能が発揮されていないのである。
妖怪達に個性派の俳優陣を配したおもしろみや敵の魔人である豊川悦司もぎらぎらしたものが見えない。あまりにももったいないというほかない作品でした。
昔ながらの日本のお化けが所狭しとでてくるので子供と楽しむにはある忌みよいのかも知れないけれど、ここまで平坦な演出をされるとますますこの手の作品が作られなくなる。
全く残念であった。