くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「チャーリーとチョコレート工場」

帰ってきましたよ、ティム・バートンのファンタジーの世界が。
そんな絶賛を浴びせたくなるような映画がやってきました。
チャーリーとチョコレート工場」はそんな映画です。

シザーハンズ」でファンタジックな中にどきっとするようなブラックユーモアを混ぜ込み、さらに風刺をふんだんに盛り込んでラストではほのぼのと夢の世界に私たちを誘ってくれたティム・バートン監督。
久しく、彼の得意映画が出てこなかっただけにちょっと寂しい思いをしていたティム・バートンファンとしては大満足な一作でした。

原作はロアルド・ダールというイギリスの小説家。絶大な人気でファンが多いらしいのですが私は知りません。こうしたファンタジックな物語を得意とするようで、私の娘は図書館で原作を読んで感動したらしいです。
さて、映画ですが、なんと言ってもまず驚くのがジョニー・デップの風貌です。まるで白塗りの人形のように登場するのですが、山高帽にステッキとまさにおとぎ話の登場人物そのままを見事に演じてくれるのです。
Charlie and the Chocolate Factory

パイレーツ・オブ・カリビアン」などのうさんくさい風貌とは似てもにつかない姿、しかもニコニコと笑う影にはどこか鋭い冷酷さも見事に表現していて、謎のあるチョコレート工場の主ウィリー・ウォンカを見事に演じています。

工場の中のイメージはどこか「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」など一連のティム・バートンマペットムービーを思わせるようなデザインですが、それがまた原作の味を映像化することに一役買っていて素晴らしい。それとなくCGという漢字のさすがティム・バートンでしょうか。

得意の雪景色や雪の演出は「シザーハンズ」以来のできばえで、物語の中心部分での効果的な挿入ばかりでなく、やはりラストシーンに見事に生きていますね。
チョコレート工場に招待された五人の子供達とその家族がウィリー・ウォンカに次々と意図的にか一人ずつ抹消されていって、物語が進んでいく下りは、背景に原作にある風刺やブラックユーモアが挿入されているにもかかわらず、くどいわけでもなく淡々と進んでいくのは楽しい限りです。

親子で見れば、子供はこのファンタジーを楽しめるし大人はそのブラックユーモアににんまりしてしまう。さらに独特のファンタジックな映像はいつの間にか引き込まれて不思議な感動を呼んでくれます。

最後にダニー・エルフマンの軽快かつモダンな音楽の数々は物語の中で頻繁に登場するミュージカルのようなシーンに効果絶大で、これもまた一言付け加えたいところです

よかった!あのティム・バートンが帰ってきた。
チャーリーとチョコレート工場 オリジナル・サウンドトラック
チャーリーとチョコレート工場 オリジナル・サウンドトラック