今日は久しぶりにハシゴ映画鑑賞をした。「ＡＬＷＡＹＳ三丁目の夕日」と「ティム・バートンのコープスブライド」である
「ＡＬＷＡＹＳ 三丁目の夕日」
泣きました。とにかくクライマックス、というかラストシーンは涙がどんどん出てきました。本当にオーソドックスなラスト、かつてはよくありすぎたほどにあった展開とラスト。今更なのになぜか泣いてしまう。そうですね、今の映画が複雑に感動させようとしすぎなのかも知れません。
物語は昭和３３年なのですから、ちょうど私が生まれた年なのです。東京タワーが建設途上で、テレビ、冷蔵庫、洗濯機が三種の神器なんていわれていた時代。まさしく高度経済成長というべき年です。この年映画人口は史上最高になって、翌年からじり貧になっていくのですが、まさしく映画産業にも最頂点の時代なのです。
原作の物語をオムニバス風に絡ませながらきれいに一つのストーリーに作り直した脚本は見事ですね。それに登場人物がどれもが生き生きとしている。ノスタルジーに浸らせるという以上にエンターテインメントに仕上がっています。
しかも、映画雑誌などでも絶賛しているようにＣＧの使い方が見事。どこまでがＣＧで、どこまでがミニチュアかといわせるほどの見事なできばえ。後で解説を読んだらエキストラも一部ＣＧになっているらしい。本当にＣＧ技術はこうして使うのだという教科書のようなできばえです。
懐かしさよりも、人間味のあるセリフ回しや出来事が、どれもこれも胸に伝わってくるのです。胸を打つのです。これは別に私のような年代の方々が懐かしんで胸打たれるのとは違います。純粋に登場人物達の生活が私たちの心に迫ってくるのですよ。
衣服にせよ、食べ物にせよ、お金にせよ、何もかもを大切にしていた時代。捨てるよりも直す時代、そんな、まだまだ人間が生身の生き物であった時代の心温まる作品こそがこの「ＡＬＷＡＹＳ三丁目の夕日」でした。
 | 夕焼けの詩―三丁目の夕日 (3) 西岸 良平      by G-Tools |
「ティム・バートンのコープスブライド」
名だたる映画雑誌が絶賛をし、しかも大ヒットしているティム・バートン監督のマペットムービー。
ようやくその話題作を見に行くことが出来ました。
「チャーリーとチョコレート工場」はそうそうに見終えていたのですが、その直後に公開が始まり大ヒットしていたのを知っていながらも見に行く機会の無かった作品。まもなく終了ということで何とか時間を作って見に行くことが出来た。
第一印象、ティム・バートン監督の底知れない創造力に大感激です。
生きている世界はモノトーンで描き、死後の世界は見事なカラー映像にしたという何とも皮肉った演出。しかも建物や調度品のデザインも見事なもので、まさしくアニメを越えた芸術的な造形美。
初めてコープスブライドが登場しビクターに迫ってくるところの何ともファンタジックなしかもちょっと怖い流れるようなシーンは何とも言えない幻想の世界に引きずり込まれます。
物語は政略結婚になるはずだったビクターとビクトリアが初めてあったとたんにお互いが一目惚れし、このままハッピーウェディングになるかと思いきや、結婚式での誓いの言葉がうまく言え内ビクターが墓場でつい誓いの言葉を練習したために落とした指輪が死者コープスブライドにはまってから何とも、使者と結婚する羽目に・・・
ここから、死後の世界と生者の世界を行き来しながら、ビクターとビクトリア、そしてコープスブライドの三者の絡み合いが展開していきます。
このコープスブライドの境遇ももの悲しいもので、その境遇にどこか惹かれてしまうビクターの心が微妙に揺れて、クライマックスに向かっていきます。
ラストシーンで悲しく見つめるビクトリアの姿に太字分の心の間違いに気づいたコープスブライドが自ら身を引くことを決意する場面は胸打たれました。
そしてラストシーン、再び死後の世界に一人帰っていこうとするヘレナは天を仰ぐと一気にたくさんの蝶に変わって飛び去っていくシーンはもう息をのみますね。これがティム・バートンのファンタジーの世界の真骨頂ですね。もう夢見るようです。
一気にクライマックスからファンタジックなラストシーンへつなぐ夢のような作品、ヒットする原因がわかりましたよ。お薦めの作品です
 | コレクションドール/コープスブライド Y-230     by G-Tools |
