いやぁ、久しぶりに映画に行ってきました。
ちょっと期待の「Mr.&Mrs.スミス 」。ご存じ、ブラッド・ピットとアンジョリーナ・ジョリーの組み合わせの話題作。
いきなりですが、とにかく、ドンパチドンパチと撃ち合いのシーンがやたら目立つ映画でした。もちろん、ダグ・リーマン監督はやや倦怠期を迎えた夫婦のお話を異色の設定とキャストで描きたかったのでしょうが、やはり設定が設定だけに派手なシーンを挿入せざるを得ない結果になっていますね。しかもどちらも今をときめく大スターなのでどちらに分をつけるということも出来ないため、緩急のない展開になってしまっている。
出だしは良いですよ。二人のショットをワイド画面を有効に使って淡々と今の夫婦生活のマンネリ差を映し出して、そして、5.6年前に映る場面ではスピーディーに入り込まんとする・・・のですが、途中でつまづいたように二人の出会いの場面へ入り、そして、現代へ飛びます。このあたりのテンポが実にまずい。もっと劇的に展開させて観客を引き込むべきですね・・なんて思ってしまいます。
続くシーンは今やマンネリ化した様子を見せながら実は二人は殺しのエージェントだと裏を見せようとするのですが、ちょっと中途半端な展開。ここにも二人がお互いに大スターすぎてポイントを絞れなかったところが見られます。本来「ボーン・アイデンティティ」では主人公が一人なので導入部を描きやすかったのでしょうが、さすがにブラピとジョリーではねぇ・・・
こうして物語は進むのですが、派手な撃ち合いシーンもふんだんに見せつけてくれるし、どこか一枚上手のアンジョリーナ・ジョリーの腕前もちらほらと見せるあたり、やはりダグ・リーマンは男だねぇなんてにやついたりしてしまいます。カーアクションのシーンもとにかく度派手ですが、今更アメリカ映画にこの程度のカースタントのシーンは平凡となっているのではないでしょうかね。
クライマックス、二人が殺し合いになっていく下りの種明かしというか裏の真相が出てくるあたりはこれといってどんでん返しのおもしろさもなく、ここに来てもやはりブラッド・ピットとアンジョリーナ・ジョリーの映画に終始せざるを得ない展開はつらいですね。
宣伝フィルムで見せた小粋なシーンはほんの少ししかないし、ラストももう一つ・・・
つまり、相対的に何を中心に作りたかったのか全くわからない映画に仕上がっています。
Mr.&Mrs.スミス キャシー デュボウスキー 小島 由記子 by G-Tools |