くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「PROMISEー無極ー」

PROMISE

チェン・カイコー監督の期待の作品。しかも初めて挑戦するファンタジーの世界ということ、さらに大好きな真田広之が出ているということで、待ちに待った作品でした。

全体の印象は期待通りのできばえ。以上でも以下でもないというところでした。
とにかく、CGをCGとして堂々と見せているところがかえって好感でした。さらに、チャンバラシーンがもう目を見張るほどに素晴らしい。チャン・イーモウが描く剣劇のシーンは流れるような演出をしますが、この作品はめまぐるしいほどに早い、巧、みごと。全く演出の仕方が違うのである。

確かにワイヤーアクションも全くないわけではありませんが、当然のようにはいるのです。「グリーン・デスティニー」のように華麗に舞うわけではなく、剣と剣がぶつかり合う戦いとして演出しています。チェン・カイコー監督の世界というべきでしょうかね。

チャン・イーモウが着実に巨匠の道を正当に歩んでいる一方でチェン・カイコーはやや異端的な道を歩んでいるのではないでしょうか。どちらも超一流監督として名をはせるほどになっているのですが、どこか道が違いますね。

この「PROMISE」も徹底的に様式美にこだわった作り方をしていますが、チャン・イーモウが作ればもう少し一般向きの映像になっていたことでしょう。しかし、独特の映像美の世界を作り出しているのは大いに楽しめました。

真田広之が前半に比べて後半はやや狡猾な武人として描かれているのはちょっと寂しいですね。チャン・ドンゴンのほうがかっこよく描いているのは寂しい。でも一人の女性セシリア・チャン(彼女は最高に美しいですね)を思うあまりに真田広之チャン・ドンゴンニコラス・ツェーの三人の立場に違う男たちが争い、そして最後に自滅していく様は非常にはかないものがあります。

豪華絢爛たるフィクションの世界がスクリーンいっぱいに広がって、バチバチと音がするほどの剣の音が響き、ちょっと重すぎるのではないかというような鎧が所狭しと暴れ回る映像は圧巻ですよ。

中国映画で「ロード・オブ・ザリング」を作るとこうなるんじゃないかという感想が漏れてきそうなそんな映画でした。本当に映画って良いものですね。