くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「アサルト13要塞警察」

アサルト13要塞警察

ジョン・カーペンター監督のデビュー作にしてカルト的なB級映画の傑作とされる「要塞警察」。そのリメイク版が本日見た「アサルト13要塞警察」である。

物語のオリジナルはジョン・カーペンターによって練り上げられたものだけにその本筋をはずれることなく、時代設定等を変更した内容になっている。
晦日の吹雪の夜に、町のはずれの小さな警察署を舞台にそこにたまたま留置された囚人たち警察署員が一緒になって彼らを口封じのために皆殺しにしようとする悪徳警察と戦うというもの。

警察署側はたまたまその夜に当番になったほんのわずかの署員と留置されている囚人。この両者が力を合わせて戦うという設定がB級的とはいえなかなかおもしろいのです。しかも外は豪雪で吹雪になって雪が舞っています。時は大晦日で世間がカウントダウンに大騒ぎ。なんと見事な設定でしょうね。

なんせ、とにかく派手に撃ち合う。ピストルの音がやけに重々しいし、マシンガンは撃ちまくるし、照明弾は炸裂するし、もうド派手なのですが、ストーリーは一本調なので非常に見やすく、ひたすらアクションに没頭できる。

さて、このリメイクを引き受けた監督はテレビドラマなどでエミー賞を取ったり、フランスのアカデミー賞を取ったこともあるジャン=フランソワ・リシェというフランス人。しかし、この人、なかなかのくせ者で、なんせ、物語の冒頭部分は細かすぎるほどに細かいカットつなぎと手持ちカメラを多用した映像でじっくりと物語の舞台を作り上げていきます。

そして、お話の核心部分に入ってくると、時としてワンシーンワンカットのような長回しをするかと思えば、あっと思うようなカメラの構図を見せてみたり、壁をとおり抜けるような移動撮影を試みたりと、かなりの技巧派である。

もちろん、囚人たちや警察署員たちの人間ドラマや、生い立ちなども挿入しても良かったかもしれないが、そのあたりをばっさりと切って、ほんのわずかな表現シーンのみにとどめているから、作品のエッセンスがまとまっていて、純粋に楽しめます。
このあたりはオリジナル版どおりといえばそうですね

主演はイーサン・ホークローレンス・フィッシュバーンであとの出演者はかなりマイナーな人ばかりなので、それがまた、物語を主演の二人に集中するので非常に見やすいのです。

あれよあれよと撃ちまくる撃ちまくる。もう駆け引きも、サスペンスもなくひたすらバンバンとやりまくる。その中で繰り広げられる凝ったカメラワークはまさにB級映画の一級品という感じですね。なんにもかんにも楽しいの一言で、かつてジョン・カーペンターのオリジナル版を見たときの印象を決して裏切らないリメイク作品になっていました。

それにしてもローレンス・フィッシュバーンってでかいですね。横も縦も・・・・