この映画も第三作目になると、さすがに息切れしているのではないだろうか?なんていう危惧は全くなく、ますますスピーディなアクション映画としての地位を確固とした。
そもそも、第一作はテレビ版オリジナル「スパイ大作戦」のパターンを全くひっくり返したミステリーサスペンス仕立てで、ブライアン・デ・パルマが監督をし、第二作はこれまた個性的な映像美で光るジョン・ウーが、アクション映画の傑作として仕上げた。
そして、今回の第三作目、テレビドラマ「LOST」で注目を集めたJ・J・エイブラハムズ監督はどんな視点からこのシリーズを作るのかが注目されました。
結果は、見事にその大役を果たしたと言えるでしょう。
物語は、いったい何なのか最後までわからないラビット・フットなる兵器(たぶん)を手に入れるミッションが、妻を誘拐されたイーサン・ハント(トム・クルーズ)を中心に例のメンバーの活動でお話が進む。
もちろん、アクションシーンの連続なのだが、その前後のシーンも細かいカットがつづくかと思えば、超ロングなワンシーンワンカットがはいり、また、めまぐるしいほどの手持ちカメラ風のシーンが重なる。合間合間に細かいカットで伏線を忍ばせているから、ワンカットも見逃せない。これがエイブラハムズ監督の個性なのかもしれないが、テレビで見ている分には大丈夫だが、大スクリーンになるとしんどかった。
アクションシーンは次々と連続して出てくるが、ドラマ自体が、ミステリーの一面も持っていて、その謎解きもしないといけない。なんとも盛りたくさんな内容にこんがらがりそうであるが、それが以外とすんなりとストーリーが見えてくるのだから、見事な演出力である。
なんせ、トム・クルーズが走る、走る。ここまで走って息切れしないのかと思うくらい走るのだ(特にクライマックス)
それに、荒唐無稽な作戦も作り出される。ビルとビルの間を振り子の原理で移るなんていう離れ業、いくらスパイ大作戦のチームとはいえ、ほんまかいな!と口を開けてしまうのだ。
結局、盛りたくさんの内容を一気に見せまくって物語は終わるのだが、あの名曲がエンドロールに流れるとほっとしました。
「ぁああ、やっぱり、スパイ大作戦だった・・・と」