宮部みゆきファンとしては見ないといかんだろうと思いまして、あまり期待していなかったアニメ「ブレイブストーリー」を見に行きました。
結果はというと、全く予想通りの期待はずれの作品でした。
アニメの製作担当をしたのはＧＯＮＺＯでもあるので若干の期待もあったのですが、ＣＭフィルムを見る限りではあまりにも稚拙な表現が見られたし、できあがりの全貌もつかみにくい上に、宮部みゆきという人の作品は結構凝っているという難点もあって、不安だらけでした。
日本のアニメ界は後継者が少なくて不安であるという声を良く聞くのですが、それを証明したようなあまりにも幼稚きわまる映像世界にがっかりです。
出だしのタイトルバックはかなりわくわくし始めるのですが、そこからあとはもう、全くなってない。映画のリズムが躓き通しで、全く全体のストーリーが見えない。それぞれの人物のｚ描写もなってない。ストーリー展開の盛り上がりに欠ける。
全く、久しぶりに凡作という物に出会ったという感じでした。
さて、その後、かなり期待のテリー・ギリアム監督の「ローズ・イン・タイドランド」を見ました。
この映画は、さすがにマニアックな映像世界で、「不思議の国のアリス」を題材にしているとはいえ、Ｒ指定になっているところに？？がついていたのですが、内容はまさにそのまま、お子さまには見せられない内容でした。
いきなり麻薬の注射をする両親を一生懸命に世話をする少女の姿から物語は始まり、その夫婦は最低の親なのだからこれまたお子さま向きではない。
しかし、横長のシネスコ画面が思い切り縦の構図になったり、斜めの不自然な構図になったり、ＣＧによるファンタジックなシーンが出たりと、テリー・ギリアムの世界がつづきます。
しかしながら、この主人公の少女の両親が次々と死んで、それがまたろくな葬儀もあげずに、剥製のごとくに縫い合わせてみたりとかなりグロテスクな展開が含まれてくると、さすがにちょっとのめり込めない部分がある。
さらに、この少女と仲良くなる男が奇妙に不気味で、病気や知恵遅れの前提よりもまるでラリっているような存在なのがまた、ちょっと。
というわけで、途中からはほとんどのめり込めないままに物語を追っていました。
テリー・ギリアムのファンタジーワールドは全編に炸裂していて、その部分だけを見れば全く見事なものなのですが、どうもこれではわたしはつらいです。
全く商業作品を意識していないのはわかりますが、入り込めないテーマ、展開というのも個人的にはあるので、今回は残念といったところでしょうか。
