くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「デスノート the last name」

デスノートthe last name

前編ですっかりはまってしまった「デスノート」の世界。
本日、待望の後編を見に行きました。

前編がキラとLの知能戦の対決で一本の物語であったのに対し、後編は新たなる死神レムの登場と、第二のキラ、あまねミサの登場で、話が最初から二本線でスタートします。

当然、キラとLの頭脳戦は前編のラストで接近戦になったので、興味は倍増。目の前で繰り広げられる知能戦にミサの殺人、そしてさらに第三の展開へと、複雑に入り組んだサスペンスへと発展していくあたりは、前編以上の白熱戦になっています。

このあたりの展開は金子修介監督の意図もあるであろうし、原作のラストシーンと違うラストを用意するための伏線のために必要であったのでしょう。ハリウッド映画なら前編よりも後編の方がパワーアップする必要から、やたら派手な展開へと進みますが、日本映画はそうは進まず、さらに複雑な推理戦を作り上げて見せていくあたりは成功であったと思います。

さすがに、Lの神秘性はかなり薄れて、ちょっと人間味を見せてきますが、一方でキラのとぎすまされた知能がさらなる組み立てを作り上げてきて、複雑きわまる展開にひとときも目を離せません。

クライマックスはオールスターキャストになって、ジンと迫るラストシーンを用意してくれたあたりは本当に楽しめました。見終わった後の疲労感が、完成された推理ドラマを堪能したという感動で、大いに満足した映画でした。

前後編と二本に分けて公開したということのリスクを十分に克服した成功作であったと思います。直前のテレビ公開は間違いなく大成功でしたね。

11月29日再度後編をみてきました。
前編も二度見に行ったのですが、後編もやはり二度みてみたかったのです。しかも、今度は後編をみた後で原作をすべて読んでからの鑑賞でした。
結果は、やはり自分の最初の感想は正しかったと納得しましたね。
そして、映画版の方が原作よりストーリー構成において完成されているということです。

原作は前半部の第七巻目あたりで映画の前後編の物語のほとんどが終わります。原作はその後、新たなキラの敵が現れて物語は世界レベルに発展していくのですが、どう考えても原作の後半部は作品のヒットによって書き加えられた延長戦のように見えて仕方ありません。

したがって、一つの物語としてまとめ上げた映画版の方がストーリーといい、そのそれぞれのプロットといい、無駄なく組み込まれたのではないでしょうか?
ラストは結果的に原作も映画も同じなのですが、私は映画版が圧倒的に感激しました。
傑作とか,大作というたぐいではありませんが、金子修介監督の代表作であることは確かです

DVDがでたら絶対買おうかなと思います。