くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「プラダを着た悪魔」

プラダを着た悪魔

湯気に曇ったミラーをさっと拭くと、そこに映ったのは主人公のアンドレアを演じるアン・ハサウェイの姿。
そして同時に軽快な音楽が流れて、タイトルバックが始まります。

もうここからはバックの音楽と軽快に進む導入部で一気に引き込まれていきます。そして、メリル・ストリープ扮するミランダの機関銃のようなセリフが一段落ついて、ようやく冒頭部分から本編へはいります。

プラダを着た悪魔」はかつて「プリティ・ウーマン」などの作品がどんどん作られていた頃のよきアメリカ映画のリズムを久しぶりに持った作品です。

物語はファッション雑誌の敏腕編集長ミランダ(メリル・ストリープ)のもとに何気なく第二秘書に就職したアンドレア(アン・ハサウェイ)の悪戦苦闘と、ファッション界の華麗な世界を描いていくのですが、何せ、リズムが軽快そのもの。

冒頭シーンから一気に入ったストーリーはその後も衰えることなく、映画のテンポをそのままにしてストーリー展開していきます。
しかも、着ているファッションが次から次と見事に変わっていくので、それを見ているだけでも楽しくて仕方ない。

もちろん、メリル・ストリープの、敏腕編集長ながらどこかコミカルな面が見え隠れするのは彼女の演技のたまものなのでしょうが、主演のアン・ハサウェイもなかなかどうして、華麗なファッションを身にまといながら颯爽とミランダの次々と機関銃のようにでてくる指示をこなしていく姿も最高にかっこいい。

テンポよく進む二人のお話かと思えば、ミランダの右腕として登場するスタンリー・トゥッチ扮するナイジェルがなかなか頼りになる存在として、脇をしめるあたりの配役も見事。そして彼のファッションもまたすばらしいのです。

とにかく、隅から隅まで華麗なファッションショーのような映画で、しかもストーリー展開の小気味良いリズム感が最後までとどまるところがなく、本当に素直に楽しめるのです。

正直、メリル・ストリープは嫌いな女優さんなのですが、そんなことはおかまいないしに映画の楽しさにすっかり酔ってしまえるほどのいい映画でした。