くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「パプリカ」

パプリカ

普段は天才サイコセラピスト千葉敦子、実はDCミニという人の夢の中に入り込むことができる精神治療器を用いて、夢の中で治療をするセラピスト、通称”パプリカ”の顔を持っている。

SF界の奇才筒井康隆原作の「パプリカ」を映像化したのは「東京ゴッドファーザーズ」などの秀作を発表し続けるアニメプロダクションマッドハウス
期待のアニメーションである。

いきなり、テンポの良い電子音楽とともに一人の少女が飛び回るシーンが現れる。彼女こそ主人公パプリカ。
映画はそこからハイテンポで物語展開していきます。もう、このあたりですっかり入り込んでしまいます。

ある時はシュールにそしてまたあるときもシュールに、なんと言っても夢の世界と現実の世界の行き来であり、現実の物語かと思えば夢の世界であったりと、原作が映像不可能といわれていたのもうなずける内容である。

たくさんの人形が、町の中を練り歩くし、ブリキのおもちゃのようなロボットが人間を飲み込むし、物語の中で、研究所の理事長が透明な化け物に替わってしまうし、まさにめまぐるしく映像が次から次と展開していきます。おそらく、ついていけず、嫌う方もいらっしゃるでしょう。かなり個性的な表現が相次いでくることは確かなのですから。

しかしながら、これほど自由に、縦横無尽に画面を動かせたら本当に楽しいだろうなぁとうらやましくも思いますね。それに、シュールな内容ですが、主人公のパプリカがヒーローのように颯爽と飛び回るので、このあたりはすごく娯楽性も十分なのですよ。

ラストシーンは、突然思い切りアナログになって、ほろりとさせてくれるような終わり方もするので、それまでの、映像の反乱から、すっと現実に戻される好感度もあって、ほっとさせてくれます。

期待通りの秀作でした。