くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ラッキーナンバー7」

ラッキーナンバー7

ほとんど無名の監督ポール・マクギガン がブルース・ウィリスベン・キングズレーなどの大物俳優を起用して作った作品「ラッキーナンバー7」を見る。
宣伝フィルムを見て段階からおもしろそうであったことや、前述の大物俳優たちがそのストーリーを聞いて是非参加したいと打診したほどのおもしろさがあるという期待からであった。

いきなり、見事なタイトルバック、何かの会計帳簿に記されるキャスト、スタッフ、そしてメインタイトル。ここからすでに謎解きのキーワードが入っている軒気がついたのはラストの手ね証の場面での説明によってでした。
あれ?とは思ったのですが、とりあえずやり過ごしていて、本編にはいるとすっかり忘れていた。

トップシーンから、何かを予感させる映像シーンが続く。競馬の八百長のネタを流していく場面に始まって、あれよあれよと全く関係のない一人の父親がその八百長試合にしゃっきをしてまで大金をかける場面へと進むのだ。
カットバックあり、ハイスピードシーンあり、マルチスクリーンありと、思い切りテクニカルなシーンが続く。そして、悲劇・・・

物語は一気に現代へ飛び、この映画の主人公ジョシュ・ハーネットの姿になる。なぜかわからないままに裸のママにどこかへ連れ去られて、人違いだといういいわけも無視されて、どんどんと話が進んでいく。戻ってみればまた別の男たちが・・・

コウして物語はどんどん本編へ入っていくが、何となく見えてくる大物やくざ通しの構想劇、そこに絡むプロの殺し屋の姿、そして、次第に入り込んでくる刑事、この刑事「プラダを着た悪魔」で小粋な男性スタイリストを演じていたスタンリー・トゥッチである。

物語はどんどんすすみ、いつの間にか主演のジョシュ・ハーネットはこの犯罪組織の抗争に巻き込まれたかのように、そして、なぜか登場するルーシー・リュウ、さてさて、あんまり物語を書いていくと完全にねたばれするのでかけませんが、この複雑に入り込んだかに見えるお話、実はすべて最初のシーンにキーワードが隠されていたのだから参ってしまう。

一級サスペンスだと評している人がいましたが、近頃では珍しい、クライムサスペンスの秀作です。物語の構成や展開ももちろんですが、カメラの角度にしても演出のテンポにしても非常に丁寧に組み立てられていて、生半可に作った映画ではないことがわかります。

第一級というとさすがに言い過ぎかもしれませんが、トップクラスの謎解き映画であることは確か。とにかく、ぁぁなあるほど!とうならせるラストは納得いきます。

もう一回ゆっくりとカメラワークを見てみたい気がします。なんせ、謎解きに夢中で物語やセリフを必死で追いかけていたのでね。
おすすめ作品です