いろいろ忙しくて映画にいく機会がなくて、前回「ロッキーザ・ファイナル」をみてからかなり時間があきました。
本日、ようやく「スパイダーマン3」をみてきました。
そもそも、私はサム・ライミ監督の大ファン、独特の映像、スローモーションやヒッチコック張りのクローズアップ、個性あふれるカメラアングルで見せるシーンの数々が大好きなのです。
しかしながら、この「スパイダーマンシリーズに至っては、その個性がかなり抑えめにされています。正直、メジャーなヒットをねらっているのが何となく見えてきて、寂しいのですが、それでも、縦横無尽に飛び回るめまぐるしいほどのアクションシーンは最高ですね。まるで、ジェットコースターです。
さて、今回の「スパイダーマン3」ですが、かなりややこしいことになってきました。
かつての親友との心の葛藤、恋人とのすれ違い、会社での諍い、などなど、勧善懲悪のヒーローものとはかなりかけ離れてきたのは、そもそも第一作からして、主人公ピーターの心の変化にも目を向けていた物語設定故かもしれませんが、この「スパイダーマン3」では最高潮です。
サンドマンとして登場する敵の存在も、実はかなり心に闇を抱えている。完全なる悪ではない。唯一今回の作品で悪の固まりとなって登場するのは、どこからかやってきたアメーバのような寄生生物。この登場も、かなり無理のある荒唐無稽といえば荒唐無稽な展開なのですが、それはさておき、そんなこんなで、やたら悩み事が飛び交う物語の中で、さらにレベルアップしたスパイダーマンのバトルシーンは、毎回目を奪われます。
ビル群を飛び回る例のシーンはもちろん、ビルの間に張り巡らされた網の中を飛び回るせせこましいシーン、上から下へと何度となくたたきつけられる敵味方のシーンの数々。いつものことながらめまぐるしいですね。
純粋に楽しめば本当に損のないエンターテインメント。
とはいって、難をいえば、非常に脚本が雑い。
一つ一つのセリフや、細かいシーンが、一本の物語の中で生きていません。
サンドマンの娘のシーンにしても、新聞社に自分を売り込みにくるフリーカメラマンにしても、もう一つ、ちょいちょいと登場していて、詰め込みすぎのきらいがあります。それが、物語をややこしくしてしまって、ヒーローものを借りた人間ドラマに見えかけるところがなんとも、しつこすぎます。
まぁ、そんなへりくつはさておいて、例によって、まだまだ勢いのあるこのシリーズ、サム・ライミ監督も、もう少し個性を出してほしいような気もしますね。
でも楽しかったです。