くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「オリヲン座からの招待状」

オリヲン座からの招待状

鉄道員」の原作に収められていて、未だに映画になっていなかった期待の映画「オリヲン座からの招待状」をみる。

時代は昭和30年代ですから、話題の「ALWAYS 続・三丁目の夕日」の舞台とほぼ同じ。
「ALWAYS 続・三丁目の夕日」が前作の勢いを受け継いだ形である意味、これといって工夫もない映画ですが、一方この「オリヲン座からの招待状」は純粋に当時の時代をまじめに、淡々と描いています。

ただ、「鉄道員(ポッポヤ)」と根本的に違うのが、淡々と描く中にリズムが備わっていない点です。
引き込んでくれるおもしろさがそこに存在しないと、みている時はおもしろいのですが、後々まで心に残る作品にはなりません。

いい映画ですが、その点が本当に残念ですね。

宮沢りえの好演も加瀬亮の力演もそれなりに楽しめるし、胸が熱くなるのですが、樋口佳奈子、田口トモロヲのエピソードが、物語の中で生きていません。もっとこの二人の存在、子供時代の物語をもう少し丁寧に描くべきだったですね。

と、いろいろと批評的なことを書きましたが、一本の映画として、見終わって、良かったなぁと気軽に感動できたのですからそれは由としたらいいでしょうね。