ブラッド・ビットが惚れ込んだ原作を元にした「ジェシー・ジェームズの暗殺」をみる。
冒頭から、正直しんどそうな予感が走った。
ただ、景色、映像は目が覚めるほどにきれいである。落ち着いた色彩と美しい自然の風景を正面からとらえ、淡々とした物語に彩りを添えるようでもある。
物語はアメリカ南北戦争直後、人々から義賊とたたえられた伝説のギャング、ジェシー兄弟の晩年の物語だ。今までに「ロングライダース」「ミネソタ大列車強盗」など様々な形で映画化されてきたジェシー・ジェームスの物語である。
主演はブラッド・ピット、そしてその兄の役に名優サム・シェパードが扮している。
散文詩のように描かれる落ち着いた物語は、最近のアメリカ映画の度派手シリーズに比べると、ヨーロッパ的、いや、名作を生みだしていた頃のアメリカ映画の用である。
劇的な展開も映像もなく、史実に基づきながらの登場人物の苦悩の物語という人間ドラマはさすがに、最近ではしんどい。体調の悪いときなら絶対に寝ていたことかと思う。
しかし、アメリカ人のヒーロー的な存在であるジェシー・ジェームズの人間性と、その晩年、過レオ背後から撃って、卑怯者の汚名をかぶってしまったロバート・フォードのドラマはある意味、勉強にもなるし、たまにはこうした落ち着いた作品の感情も必要かと納得してしまいました。
いい映画というジャンルでしょうね。これもまた映画のおもしろさです