くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ミスト」

ミスト

最初に、この書き込みは完全にラストをネタばれしています

今までの映画の常識を覆すならこの作品を見てみるのもいいかと思います。
夢の工場としての映画のストーリー展開の常道を完全に覆す。それをもっとも効果的な卓越した演出で見せたのがこの作品です。

ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」のフランク・ダラポン、スティーブン・キングといえば当然ともいえるラストを期待するでしょうし、この手のパニックホラー映画の常識としての展開を誰もが潜在的に体が覚えているのですから、ラストの衝撃は頭を殴られる感覚でした。

突然、ある街が霧に覆われます。そしてとあるホームセンターに閉じこめられた客達が直面する恐怖を描いていくこの原作。冒頭の霧のシーンからして、独特のカメラアングルと構図で引き込みます。

あとはもう、この手の作品の常道として、一人のリーダーが登場、そして、一方でアメリカ映画独特の狂信的な女が登場する。この辺は当然といえば当然で、またこの展開か・・見るべきところは外界に存在する恐怖の化け物の演出だろうか・・とこちらはすっかり監督達の思惑にはまっていくのです。

当然のように現れるショッキングな怪物達、まるで「クローバー・フィールド」がこの作品の続きになるのではと思わせる展開。日本人としては理解しがたい狂信的な女の扇動。そして、ブルース・ウィリスばりの主人公の活躍。と、例のパターンでぐいぐいと凡々たる物語が進みます。

グロテスクな怪物におそわれ次々と命を落としていく客達。そして苦肉の決断で脱出行へ。
霧の中でライトをつけてゆっくりとくるまででていく様はどこかヒッチコックの「鳥」のラストを思わせます。
背後に流れるパイプオルガンがかなりしつこくて、この辺ははっきりいってうんざりでした。

とはいえ、その後のラストシーンはあまりにも衝撃的というか、後味悪いというか、あんまりというか、非現実の世界に浸りたいとはいえ、やはり救いを求めて映画館に入った物としてはちょっと、ダウンですね。

通して振り返ると、これが現実かもしれませんが・・・。