くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」

インディ・ジョーンズクリスタルスカル

インディ・ジョーンズが帰ってきた。私のような年代の映画ファンにはまさに神様のような存在のスティーヴン・スピルバーグ監督の傑作シリーズ。
その、復活作品「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」を見る。

冒頭のシーンから自信の名作「激突!」を思わせるバックミラーのシーン、「レイダース失われたアーク」を思わせる倉庫の場面など、かつての傑作のオマージュのようなシーンが連続する。映画ファンというより、インディを見て育った年齢の映画ファンにはたまらないシーンの連続。

車のカットからさりげなく見せるアトミックカフェの看板、続くきのこ雲のシーンなど、流麗かつこなれたカメラワークはさすがスピルバーグとうなってしまう。

しかし、ここから、物語が本題に進んでいくと、なぜか眠くてたまらなかった。体調が悪かったのか、脚本が弱いのか、かつての第一作「レイダース失われたアーク」でくたくたになた仕事の帰り道に見たにもかかわらず興奮して拍手するほど楽しんだこのシリーズとは思えない感覚に戸惑った。

第一作が作られた当時は確かにこの種類の作品はエポックメイキングであった。こんなヒーローの冒険物語はそれまでありそうでなかったのだから。しかし今となってはあまりにも乱立しすぎているのである。インディ・ジョーンズというヒーロー自体、すでに陳腐化してしまっている。しかし、そこはスピルバーグ、凡々たる作品には仕上げないだろうという想いがあるのだ。

しかしながら、旧シリーズへのオマージュがその後も続く、謎解きも今一歩で今となっては珍しくもない上に、スピルバーグ独特の卓越した場面があまり目立たない。ぎらぎらしたものはすでにないのであるが、完成されつくされた職人監督的な演出も見えないのです。そしてラストも、それほど驚かせるほどのものでもない。

確かに期待しすぎていたといえる。
しかし、本当にこの作品を作りたかったのだろうか?衰退しているといわれているアメリカ映画界に風を呼び起こす宣伝塔の役割で作っただけなのではないだろうか?

こうして書くと、まったくけなしているようであるが、やはりジョージ・ルーカス原案脚本、スティーヴン・スピルバーグ監督、ハリソン・フォード主演となれば尋常の期待では満足できないのです。

そんなこんなですが、面白かったですよ。娯楽映画としてはさすがです。