くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ラスベガスをぶっつぶせ」

ラスベガスをぶっつぶせ

おもしろそうだと思っていたのだが、どうもこの題名がいけない。あまりにもB級映画丸出しの映画に見える。原題は「21」だからいわゆるブラックジャックの意味だが、日本ではいろいろとややこしい題名なのでパスしたのだろう。といって、あの題名はあまりにも短絡的だ。

と、そんな愚痴はともかく、期待通り、かなりおもしろかった。前半部分のブラックジャックで一儲けしていく下りのスリリングさ、後半部分の二転三転するストーリー展開のおもしろさ。そしてラストのラスト、もう一度冒頭シーンに戻ってどんでん返しを用意したあたりの脚本は見事。

そもそもアメリカで実際にあった実話をもとにしている。演じる俳優はケヴィン・スペイシー以外はそれほど名の通った人はいない。強いていえばカジノの用心棒ローレンス・フィッシュバーンくらいだろう。

この手の作品ではブラックジャックでどうやって買っていくかの理屈を理詰めで描こうとするきらいがあるがそのあたりを巧妙に理論付けを説明してはいる物の適当に流しているのがうまい。ここで観客に考えさせたら、とてもじゃないが重くて見てられなかっただろう。

とにかくエンターテインメントに終始し、一方でスリリングな展開で引き込み、しかも練りに練った脚本が組み立てられているからいいのである。
ラストも、変な心残りもなく、登場してきた人たち誰もがカジノの用心棒でさえもがいい人になってしまうからいい。

スタイリッシュできれいなサスペンス映画の秀作、これはいい映画でした