くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「スピード・レーサー」

スピードレーサー

いわずと知れた竜の子プロの名作アニメ「マッハGO!GO!GO!」の実写版。といってもほとんどCGで見せるのだからどこまでが実写かは疑問ですが。

そして、監督はなんとあの「マトリクス」シリーズを手がけたウォシャウスキー兄弟。「マトリクス」以来はじめてメガホンを取ったのだから、見ないわけにはいきません。

全編、独創的な映像の連続と、独特のスピード感、そしてめまぐるしいほどのレースシーンが次々と展開していく世界は、CGゲームでもなく、といってただのCGアニメでもなく、単調なアニメの実写版でもない映像世界です。

オリジナルのマッハ号の足を出してジャンプする機能を最大限に利用し、縦横無尽、上下左右に展開するアクション的なカーレースのシーンは誰もが気がつかなかった独創的な場面で観客を引き込んでくれます。

物語はたわいのないもので、あってもなくてもいいのかもしれない。家族の物語なんかも別にあってもなくてもかまわないかもしれない。ただひたすら走る走る、飛び回る、非現実的なカーレースを見るだけで十分。それが、もともとフィクションの世界のアニメの実写映画かなのだから、思い切りよく割り切ったところがなんとも爽快である。

全体のリズム的には、ラリーシーンで一回、クライマックスを迎えたにもかかわらず、再度グランプリのシーンを作り出したというストーリー展開はやや、散漫に思えなくもない。全体をひとつのリズム感で作り上げようとしたのなら、どちらかを省略し、集約して盛り上げるべきではなかったかと思うと、ちょっと脚本が弱い。

とはいっても、次々と展開するサイケデリックなカーレースシーンは圧倒されるし、オリジナリティ抜群の映像世界は見事といわざるを得ません。
超一級作品とは呼べないものの、見る価値が十分なエンターテインメントではなかったでしょうかね