くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「グーグーだって猫である」

グーグーだって猫である

漫画家大島弓子さんの自伝的エッセイ漫画を映画化した作品で、犬童一心監督作品でもあるので、少々期待していた作品でした。
しかも、今や名優に近い存在感のある小泉今日子主演、とくれば、傑作まで行かなくてもそれなりに楽しめるだろうという期待があった。

2時間近くの作品ですが、淡々と進む物語は実話であるという気持ちもあって、それなりに最後まで楽しめました。

猫が主人公ではという意識もあったので、最初はちょっととまどいましたが、次第に主人公麻子さんのドラマでもあり、また周囲の人たちの何とも憎めないキャラクター、そして吉祥寺の土地感の優しさなどが伝わる作品でした。

冒頭から吉祥寺の説明などが死神(マーティン・フリードマン)の説明が流れるあたりはやや、映画のテンポを狂わせるところもありますが、無難に演出された犬童監督の手腕で、かろうじて、リズムが崩れるのを押さえていますね。

さすがに「ジョゼと虎と魚たち」を知るものとしてはもう少しできのいい作品でもいいのではないかなんて思わなくもありませんが、出だしの、部屋の片隅から最初の猫が人間の陰になって別れを告げる場面のなんとも切ない演出なんかはきれいですね。

そのあとに続く、グーグーを買う決心を付けるところは少々、くどいようにも見えますが、加瀬亮扮する青年の登場、上野樹里のキャラクターのおもしろさもあって、全体に無難な作品になっていたように思えます。

まぁ、期待しすぎがそこまではという感じの作品でした。