非常に評判が悪いこの「幸せの1ページ」
主演がジョディ・フォスターで、引きこもりの作家が少女を助けるために冒険にでるなっていうキャッチフレーズで宣伝しているため、誰もがかつてのジョディのイメージからシリアスな人間ドラマだと思ったためだろう。
この映画の原作は「秘密の島のニム」といい、この映画の原題も「ニムの島」となっている。
つまり主人公は無人島に父と二人で住むニムの冒険物語なのです。
そこに、作家のアレックス(ジョディ・フォスター)が絡んでくるというファンタジーなのです。
そのあたりをわかってから見ないと、とんでもない勘違いをしてしまうし、あっけない物語展開と、あっさりとした終わり方にがっかりしてしまうのではないでしょうか?
冒頭のタイトルバックのシーンから、明らかにファンタジーであることがわかる上に、どこか貼り絵の絵本のようなシーンが織り込まれて、動物の描き方もまるでディズニーを思わせるコミカルな描き方ゆえ、一体大人のジョディはどこからでてくるのかととまどってしまうのです。
そんなわけで、純粋な大人のファンタジーであるこの作品。実に味のある小品でした。
何せ、主演のアビゲイル・ブレスリンは大好きな映画「リトル・ミス・サンシャイン」のあの女の子なのです。あれから2年ほどしかたっていないのですが、やっぱり女の子の成長は早いですね。「リトル・ミス・サンシャイン」のときはぷっくりとおなかがふくらんだ女の子でしたが、ちょっと大人になっていますね。でもまだまだかわいい。
ちょっと擬人化しているもののディズニーまではいかない動物たちの表情が何とも愛らしいし、所々に挟む絵本のようなシーンがおしゃれな効果を生んで、物語にちょっとひきこまれちゃいます。
そこへ中盤からジョディ・フォスターの作家のお話が絡んできて、それがまたコミカルで絶妙。ジョディ・フォスターの演技力のたまもの、さすが!と、うなりながらも鼻につかないところがなんともいい。
7対3位でバランスよく配置されたアビゲイル・ブレスリンとジョディ・フォスターの物語が、あっさりとラストで一つになるあたり、これは成功ですね。
ジョディ・フォスターを前面に出して力まなかった監督の我慢の演出が成功の要因だと思います。
というわけで、人の評判は信じず、自分の見たい映画を見るのがいちばんと納得した今日でした