おそらく矢口史靖監督作品でなかったら行かないであろうという程度の作品だった「ハッピーフライト」を見て来ました
ふつうに楽しめた、お気楽なコメディでした。
主演をあえて一人に集中させず、それぞれの空港関係の部署ごとにいわゆるグランドホテル形式で描くという趣向は、この手の作品の定番とはいえ、とりあえずの成功だったと思います。
別に、裏方や裏話をコミカルに映し出していくところに特に目新しさはないのですが、かなりシリアスなシチュエーションが次々とでてくるにもかかわらず、軽く、コミカルにこなしていくという矢口監督の脚本はなかなかどうして、気楽に書いているようで練り込まれていました。
中盤から後半にかけては、このタイプの作品おきまりのパニックシチュエーションへとうつって、はらはらどきどきのなかに、矢口コメディの味を薄なわずに最後まで引き込んでいくのは何とも爽快。
今にも墜落?という状況にも関わらず、妙に落ち着いている時任三郎の教官の存在が特に光っていました。
さらに、キャビンアテンダントのチーフ寺島しのぶさんのぴりっと味の利いた登場シーン、小日向文世のワンカット、そのほか次々と登場する名優達のほんのわずかなシーンに見せる一言のおもしろさが、この映画を最後まで飽きさせずに見せてくれた一員だと思います。
まるで綾瀬はるか主演の映画のごとく宣伝されていますが、彼女も一出演者止まりになっていたのが成功の原因でもあったような。