チェ2部作の後半部分を見てきました。
重厚な人間ドラマで。今回も二時間がぜんぜん退屈せずに見ることができました。
第一部のキューバ革命の姿とは裏腹に、今回、ボリビアでの革命活動を描く本作はさすがに、チェ・ゲバラの笑顔のシーンが極端の少ないように思います。
もちろん、前作同様、一つ一つのシーンをしっかりと見据えた演出と手持ちカメラを巧みに挿入したリアリティがぐいぐいと一人の男のドラマを伝えてきます。
第一部とちがって、挫折の連続なのですが、自分の行動が何かのきっかけになればよいとするチェ・ゲバラの生き様が見ている私たちの現在の行き方に疑問さえも呼び起こしてくるようです。
必ずしも、チェ・ゲバラ一人にカメラを据えて追いかけていくのではなく、彼に付き添うキューバ人たち、そして現地で賛同する兵士たちの姿を中心に展開していきます。
そこにあるのはキューバ革命の同志とは正反対で、目的意識に対する意志の強さもなく、まとまりもなく、どこか非常に心もとないです。ここに来て英雄チェ・ゲバラのリーダーシップさえも薄れるほどに兵士たちのわがままが、果たして、キューバ革命の成功はカストロとの二人三脚ゆえの成功であったのではないかとと思ってしまうのです。
それでももがきながら、ただ、弱者を救わんと必死で戦い、結果として破れたものの、自分たちの行動に信念を貫いた彼の姿は見事に映像に残されたと思います。
第一部第二部と連続で見るには時間的に厳しいのでしょうが、それでも一気に見たほうが寄り感慨深かったような気もしますね