くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「トワイライト〜初恋〜」

トワイライト〜初恋〜

全米ベストセラー小説の純愛ラブストーリー「トワイライト〜初恋〜
ヴァンパイアと高校生というかなりロマンティックな設定に、かつての夢あふれたアメリカ映画の世界を予感させられ、期待の一本でした。

出だしは、森の中で小鹿を追う狼のシチュエーションからやがて主人公の少女ベラが父親と引っ越すくだりの物語へと入っていきます。
非常にスピーディーな演出で、まるで、ひとコマずつフィルムを短くしたのではないかと思わせられるようなカットつなぎで、次々とシーンが展開して本編へ私たちをいざなってくれます

新しい高校生活への描写から、見事な登場人物のさりげない紹介、そして物語設定の説明と、このあたりの脚本といい演出はオーソドックスで見ていて安心させられます。
時として、ぐいぐいとアップクローズアップと迫っていくかと思うと、逆に引いていくというカメラワークは映像にリズムを生み出し、宣伝フィルムにも使われている、主人公のエドワードが素手で車を止めるシーンまでが非常に軽快にそして絶妙の時間のタイミングで進みます。

この強弱の効いたそれぞれのシーンの長さが見事で、ここから物語りは一気に本題へ入ると共に、不気味ながらも切ない純粋なラブストーリーが始まります・
時としてまるで「グリーンディスティニー」を思わせるようなワイヤーワークによるシーンを挿入したり、エドワードの超人的な運動シーンを随所に挿入したりと、観客を飽きさせない配慮は、さすが韓国の純愛映画とは一線を画す完成されたアメリカ映画の実力でしょうね。

非人間的に見える主人公エドワード(ロバート・パティンソン)の魅力と、あまりにも初々しい、そしてキュートな高校生ベラ(クリスティン・スチュワート)が奏でる、まるで夢のような、そしてかつてのゴシックホラーの吸血鬼物語を思わせるどこか格調高いロマンティシズムが見事に融合し、うっとりと、雲の上のようなラブストーリーに引き込まれていくのです。

周りを囲む俳優陣もそれぞれ非常に魅力的で、また個性と存在感あふれる俳優さんたちで、彼ら、彼女らにも惹かれながら2時間という藤儀名物語を堪能できました・
全四部作の原作の第一作目の映画化らしいですが、このまま、続編がほしいという思いに久しぶりに思いました。