「パフュームある人殺しの物語」のトム・ティクヴァ監督作品「ザ・バンクー堕ちた巨像」をみる。
題名からはどうにも、惹かれるもののない作品でしたが、やはりトム・ティクヴァ、その点だけで期待しても十分と思ったからです
冒頭、クライヴ・オーウェンのアップが画面の半分を占めるところから物語が始まります。そして・・
とここから一気にサスペンスの世界に引き込まれる私たちは、もうラストまであれよあれよと、複雑ながらスリリングに、そしてスピーディに展開する物語にすっかり魅了されてしまいます
とにかくおもしろい。音楽も担当しているトム・ティクヴァ監督、そのリズム感と、映像の中に盛り込む効果的な音楽の見事さは拍手物である。
確かにかなり物語は複雑であり、次々と舞台が転々と映っていく中で展開するので、追いかけていくのがかなりしんどいように思えるのですが、そんなことは脇に置いても十分に楽しめる本格的なサスペンスアクションである。
前半の狙撃シーンまで、さらに中盤から後半の美術館での銃撃シーン、そしてラスト。
それぞれのシーンが単調な画面づくりになっていず、非常に凝った構図を盛り込んでいるあたり「パフュームある人殺しの物語」で映像派トム・ティクヴァならではの見所満載である。
久しぶりにおもしろい手に汗握るサスペンスを体験したという感想で非常に満足のいける、そして、最高におすすめの一本でした