くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「THE CODE/暗号 」

THE CODE/暗号

林海象監督の名を知る人は果たしてどれくらいいるでしょうか?
いわゆる映画ファンの間でもカリスマ的な存在である林海象監督。「夢見るように眠りたい」で一世を風靡し、その後の探偵シリーズ濱マイク、そしてちょっと変わった大作「ジパング」など話題に事欠かなかったにもかかわらず、自ら、探偵映画を作ることにこだわり、ネット配信されている今回のシリーズ「探偵事務所5」シリーズなど、かなり、偏りのある独自の作品を発表してきている人です。ただ、この監督を知っているかどうかで、映画を愛する本当の映画ファンかどうかを知る目安となることも確か。

さてそんな個性派監督林海象の作品を久しぶりに見ました。
探偵事務所5」シリーズの劇場版第三作目です。

無国籍の舞台を使ったアクション映画を作る人といえば、「遊戯シリーズ」でおなじみの村川透監督がいますが、彼と同様、この林海象監督も無国籍な舞台に見せる作品を得意とします。

いきなり川崎市(どこが無国籍?)での連続爆破事件、その爆弾に仕掛けられた巧妙な暗号を、天才的な頭脳で次々と解読し、ピンチを救う導入部分はまさに、超一流のハリウッド作品など足元にも及ばないつかみの部分です。そして、その一連のシーンで一気に画面に引き込んだあとは、これまた的を得たテーマ曲とタイトルバック、まさに007シリーズを思わせる定番といわざるをいえません。

軽快なタイトルが終わると、ここからが本編。舞台は上海(ココもまた無国籍??)。
連続爆破事件に端を発した上海マフィアの存在とその背後にある旧陸軍の隠した財宝のありかを巡っての暗号解読の物語が、1人の天才探偵を通じて描かれていくのですが、登場する探偵グッズの秘密兵器の数々は007も真っ青、さらに、古き良き日活アクションを彷彿とさせる、勧善懲悪の世界と、できすぎた銃撃戦(なんと百発百中)、ありきたりのストーリー展開の背後にありきたりの父と娘の物語。そんな単純明快で爽快な物語をいとも簡単に現代風のスピーディな演出でアクションに仕上げ、さらに謎解きの妙味を織り込んでいく林海象のオリジナル脚本の妙味は、エンターテインメントの極致。

テレビドラマではパッとしない稲森いずみが、なんとも魅力的で、キュートに見えるから、これまた映画には欠かせない美女の役割を完璧に演じています。
さすがに76歳の宍戸錠さん、もたもたとしたガンアクションは痛々しい限りですが、それもまたこの映画の魅力に変わるからいいですね。

こんな面白い映画を大々的に宣伝しないのはあまりにももったいないのですが、これもまた、映画産業の難しさかもしれません。