恋ってすばらしい、結婚てすばらしい、夫婦ってすばらしい、そしてそして、人生ってすばらしいな!こんないい映画に出会えるなんて、生きていてよかった。そう思いたければこの作品を見てほしいです。本当に、すばらしい秀作に出会いました。
見たあと、「あそこのあのセリフよかったね」「あのときの誰々は最高だったね」あのシーン、あの展開、あの物語、そしてあの夫婦って、・・とついつい話したくなるような映画、それがこの「60歳のラブレター」でした。
もちろん、原作という一本のストーリーはありません。住友信託銀行が毎年行っている「60歳のラブレター」企画からヒントを得て作り出した作品なのですが、それぞれの夫婦の物語が、なぜか、あまりにも美しい大人のラブストーリーとして胸に染み入ってくるのです。
かつて、ジョン・シュレシンジャー監督が3つの大人の恋を描いた「ヤンクス」という好きな映画がありますが、それ以上に、この「60歳のラブレター」は心の奥深くに静かに響くような感動を与えてくれました。
題名から、まるで、60歳を迎えた熟年夫婦のみを観客対象にしたかのような印象を与えてしまいますが、この映画はそんな単純なものではなく、夫婦って、恋って、結婚って、まだまだ捨てたものではない、そして、今若さの真っ最中の人にも、生きるってすばらしいよと謳歌している映画じゃないかと思いますよ。
ラストで星野真理が言うせりふ「結婚してみようかな・・・」が本当に切々と感動を呼びます。
これで、この映画の感想が伝わったでしょうか?言葉にするのが難しいほどのいい映画に出会いました。どのワンカットも胸に響く感動をもたらすし、そのすべてを伝えたいのですが、いかんせん、記憶には自信がないもので口惜しい限り。
さて、素直な感動だけを書きたいのですが、一応この作品がなぜすばらしかったかを分析してみるに、脚本に「三丁目の夕日」「キサラギ!」の古沢良太さんが参加していたのがこの映画を見に行こうと思った理由なんですよ。
期待通り、3つの夫婦の物語を見事な交錯と、すばらしいセリフの数々で引き込んでくれました。
さらに、今回が初長編の深川栄洋監督の演出もすばらしかった。すばらしい脚本を的確な演出であきさせないリズムを作り出して、ありきたりの感動を呼び起こすのではなく、胸に残る感動を湧き上がらせる演出は見事でした。
一方で名優たちの抜群の演技にも頭が下がりました。
どれもこれものコラボレーションが大成功した今年ベストテン入り間違いなしの一本だと思います