学生時代に一時はまったフランソワーズ・サガンの小説。その原作者の半生を描いた作品を見てきました。
次々とあふれてくるフランス語、そして短いカットが続くめまぐるしいカットつなぎは、一昔前のフランス映画を思い出させてくれて、それだけでも見た甲斐のある映画でした。
18歳で世界的な小説家として華やかに登場した一人の少女が、お金にも名声にもこだわらず、ただ自分の思うままに、やりたいことを思いつくままに行動していくフランソワーズ・サガンの姿が、生々しく伝わってきます。
サガンを演じたシルヴィー・テステューの抜群の演技力のせいか、いつの間にか物語にのめりこんで、まったく退屈を感じさせられずに見ることができました。
さすがに主人公以外は人物関係があいまいで、脚本に弱さを感じますが、ディアーヌ・キュリスのハイテンポな演出が、次々と展開するサガンの自由奔放な生活を見事に描ききっていて、華やかな文壇の世界の彼女とはうってかわった人間味あふれる姿が本当に好感で、親近感を覚えます。その結果、本当に胸に迫るドラマにもなっていて、ラストシーンには思わず胸が熱くなる感動を覚えました。
作品評価は人それぞれなのかもしれませんが、私はこの映画いい映画だったと思います。