くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「アマルフィ女神の報酬」

アマルフィ女神の報酬

フジテレビ開局50周年大作、織田裕二主演と、今ひとつ見に行く魅力がなかったのですが、結構面白いという評判に魅かれて、見に行きました。

なるほど、評判どおり、なかなかどうして面白い。サスペンスの展開が本当にスピーディで、細かいカットをつなぎ合わせた引き込みのうまさと、スローモーションや手持ちカメラをつむいでいく西谷弘監督の演出はなかなか見せてくれますね。
真保祐一原作となっているが、映画の製作段階で参加し、同時に物語をスタッフで作り上げていっているので、原作があっての映画化ではない。つまりオリジナルに近いのだ。

にもかかわらず、日本版サスペンスアクションにありがちな、わざとらしい軽々しさはなく、一級品のサスペンスに仕上がっている。

謎が解き明かされていく伏線の張り方、主人公織田裕二扮する黒田のキャラクターの面白さがストーリーのもりあげに貢献、テレビドラマのスペシャル版のような適当さがないのが非常に好感でした。

この西谷弘監督、私のファンドラマである「白い巨塔」の演出を手がけた人で、音楽の使い方が非常にうまい。この映画でもあの宣伝フィルムにも使われているオペラ曲が非常に作品の盛り上げに一役も二役もかっている。
終始、苦虫をかみ殺したような顔立ちで演じる織田裕二の存在感と、巻き込まれがたのヒロインである天海祐希の存在もとがぶつかり合って、まるで一冬の時間の一遍を切り取ったような感動がラストにこみ上げてきたのはなかなか、うならせてくれます。

駆け抜けるように展開する謎解きのドラマは、一級品と拍手こそできないものの、テレビでは味わえないできばえで、スクリーンで見て損のない一本であったことは確かかなと思います。この映画好きですね