くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「HACHI約束の犬」

HACHI約束の犬

日本のハチ公物語がアメリカでリメイクされるというのを聞いたときは、かなり軽くいなしたのですが、監督が名匠ラッセ・ハルストレムと聞けば、映画ファンとしては見に行かざるを得ない。

それでも、見た人の評判を聞いてから見に行ったので、公開からちょっとたっていますね。
吹き替え版が不評なので、字幕版の時間に合わせて出かけました。

素直に泣ける映画です。ハチ公の物語のエッセンス、つまり毎日駅まで亡きご主人を迎えにいくというお話を枝葉を交えずに描き、90分あまりの中篇の映画に仕上げたのがその原因でしょうか?

日本版の神山征二郎監督の「ハチ公物語」は、丁寧にハチ公の物語を忠実に追いながら描いていくので、主人が亡くなった後の物語も半ば浪花節的な日本調の展開が続くためにある意味しんどいところもあります。当然、大作に仕上がり、ラストシーンの感動はなんともいえない物悲しさがこみ上げますが、このあたりリメイク版はさらりとクライマックスを迎えますね。

HACHIからの視線をモノクロームで描くという映像の懲りようで、オリジナル版とは違った雰囲気をかもし出そうとする工夫も見られるものの、基本的には大まかなエピソードも含めオリジナル版とほとんど変わりません。

ラストがわかっているとはいえ、やはり人間の純粋な気持ちに訴えかけてくる物語はどのように変わっても、泣けてきますし、こういう映画を泣けないようではあまりにも寂しいですね。

評判どおり字幕版のほうがいいと思います