くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「悪夢のエレベーター」

悪夢のエレベーター

とにかく、気楽に楽しめるコミカルな大どんでん返しのサスペンス映画の秀作でした。いやぁ、楽しかった。

目が覚めるとエレベーターに閉じこもられていることに気がつく主人公。なんか、どっかで聞いたような設定やら、舞台やら・・と過去にもこの手のパターンで始まるサスペンスはたくさんありますよね。
死刑台のエレベーター」のような名作やら「SAW」のようなホラー(こちらは目覚めると・・・ていう設定だけですが)やら、限られた空間に閉じ込められる作品は目白押し。

で、今回の作品、なんと同じエレベーターの中に、いかにもヤクザなチンピラ、自殺志願のゴスロリ少女、ジャージを着たなんかださいおっさん。とそれだけでも興味津々のお話ですが、そこから始まるどたばたサスペンスに笑いあり、謎解きあり、そしてそして大どんでん返しありと見せてくれます。

同乗した登場人物たちの生い立ちやらがコミカルに紹介され、そして物語は最初のクライマックス?そこで、なぜ?なぜ?と主人公が疑いを持つところから場面は二転三転。時間と空間を巧みに前後させて、次第に明らかになる真相とは?というこの作り方、好きですね私は。
こんな見事な展開ですが、これは明らかに原作の長所だと思います。それを狭い空間という場面設定の中で、カメラワークやら構図などに一工夫見せてくれたらもっと傑作になりえたかもしれませんがその辺はちと残念。

にもかかわらず、一段落したストーリーにさらにどんでん返しが組み入れられ、本当の本当のエンディングにたどり着くあたりまで一気に見せる面白さはそれなりに成功していると思います。ヤクザ役(探偵ですが)の内野聖陽さんが熱演で、今まであまり好きな俳優さんではなかったのですが、これほど演技力があったんだと感心してしまいました。

あまり詳しく書くとネタバレバレになるので控えるものの、原作を知る人も一度覗いて見る楽しい映画かもしれませんよ。