くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「かいじゅうたちのいるところ」

かいじゅうたちのいるところ

なんともつかみどころのない作品でした。
世界的に有名な絵本の実写映画化ということでスタッフもそれなりに原作に思い入れがあるという前提で作られた作品ですが、すでに監督以下のスタッフはこの原作に入り込んでしまっていて、理解しきったうえで、自己満足に作ったような感じがするのです。

出だし、主人公の少年がばたばたと階段を駆け下りる様を手持ちカメラで追い、そのまま一気に落書き調のタイトルバックに変わるシーンはなかなかスパイク・ジョーンズ監督の手腕かと引き込まれましたが、その後はひたすら主人公の少年が大声でわめくシーンばかりで、家族や特に母親から疎まれているという設定を紹介しようとするものの、あわただしすぎて入り込めない。さらにこの主人公の少年がうるさく見えてくる。

家を飛び出して海辺のヨットに乗ってとある島へ。そこで着ぐるみのような怪獣たちに会って、成長するドラマなのだろうが、そこでのシーンもいまひとつ何がどう絡んでいくのかまったく不明。というか伝わってこない。

怪獣たちの間にも確執があり、それが主人公の現実と重なっていくという展開なのだろうが、怪獣たちの関係もいまひとつわかりにくく、ファンタジックなシーンが繰り広げられるわけでもない、何が何かつかめないままに、少年は島を離れるというクライマックス。

宣伝フィルムのときからちょっとつかみどころがないと思っていたが、そのまま本編となりました。

え?終わったという感じの作品でした