くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「フローズン・リバー」

フローズンリバー

二人のシングルマザーがそれぞれの生活のために、ふと手に染めてしまった裏の仕事。あまりにもやるせなくも強く生きる女性の姿を描いた作品としてたくさんの賞を取った秀作をみてきました。

正直、暗いです。確かに家族のためにがむしゃらに生きようとするあまり、染めてはいけないことに手を染め、その結果がもたらした悲劇をさらにお互いの心の交流の中で暖かいラストへ導く。その意図もしっかりした演出も理解できるし、凝縮された映像表現はなかなかのものだと思いますが、どうもいけません。私はこの手の映画は何とも受け入れにくい。

ようやくためたなけなしのお金をギャンブル好きの夫に持ち去られた主人公レイは失意の中でたまたまであったモホーク族の女性メリッサと不法入国をする仕事に手を染めます。
二人が使う車が氷点下30度近い温度で凍った川を渡ることからこの作品の題名がきていますが、薄暗い中を走る車の光はまるで二人の今の人生を暗示するかのようです。

行き着く先には必死で不法入国しようとする人たちの姿が映し出され、よるすべもなく手探りで生きる主人公たちの姿を見事に映し出すようです。

ほとんどが夜のシーンであるためかよけいにくりイメージに見えたのかもしれませんが、現代の様々な問題の一部を痛烈に描き人間ドラマとして、そして二人の女性の心温まる物語として完成された映画としては秀作であったと思います。