くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「黒いチューリップ」

黒いチューリップ

「黒いチューリップ」
アラン・ドロン生誕75年の一本。遙か昔、テレビの洋画劇場華やかな頃にみた一本で、懐かしさで見に行きました。
物語はたわいのない冒険活劇で、これといって取り上げるほどの作品でもありませんが、アラン・ドロン主演というだけで映画がヒットした時代の作品と呼べるものです。ただ、監督は職人監督クリスチャン・ジャック、撮影は名匠アンリ・ドカエですから、それはそれで見所だったかもしれません。

時は18世紀フランス。まもなくフランス革命が勃発しようとする頃のとある田舎町。そこで義族のごとくもてはやされていた”黒いチューリップ”という盗賊。目に黒いマスクをして貴族から金を奪うという、まるで”怪傑ゾロのような出で立ちの人物が主人公。

ふとしたことで頬に傷を付けられ、正体がばれるのをおそれて、うり二つの弟を呼ぶ。弟は兄と違い、自由を信奉する理想論者で、兄になりかわり、ただの盗賊だった兄とは違って英雄として活躍するというもの。一人二役で演じるアラン・ドロンが見物の一本ですね。後はなんともおもしろくもない娯楽映画でした。

ラストは弟を助けにいって入れ替わりに捕まり絞首刑になる兄。一方の弟は愛する女性とハッピーエンドになるというありきたりのエンディング。でもこれが当時はみんなが楽しんだふつうの映画だった気がします。
そういう懐かしさで十分楽しめる映画でした。

ちなみに、キネマ旬報のデータベースのストーリーは映画と全然違うというミスを犯しています