かなり以前に見た映画だし、ドキュメンタリータッチで描いていく作品でもあるので、よかったという印象はあるものの、ほとんど覚えていない。
フェリーに自身がサーカスの道化師を追っていくドキュメンタリーを作っているという展開でその様子をカメラが追っていく作品である。
映画が始まると一人の少年(つまりフェリーに自身)が窓から夜の広場をみている。おりしもサーカスのテントがむっくりと持ち上げられていく。翌朝、この少年は母親から「サーカスが来たからいうことを聞かないとつれていかれるよ」と脅される。
少年は一人、テントの中にはいると、そこではサーカスの出し物の練習が行われ、いつの間にか観客の中で道化師たちがコミカルな芸を披露し始める。
一通りの出し物が紹介され、やがてカメラは町へ出ていく。かつて、人気のあった数々のサーカスが閉鎖され、人々を笑わせていた高名な道化師たちも、今は老年となっている。彼らを集め、カメラで彼らのかつての栄光の物語や伝説なった今は亡きたくさんの伝説の道化師たちの話題をカメラでとらえていくフェリーにの姿。
そして、彼らを集めたにぎやかな道化師のショーが幕を開けるのがクライマックス。途中、高齢のために疲れて座り込む道化師の姿などもとらえられて、どこか哀愁を誘う。
そして、このカーニバルのようなシーンが終わり、彼らも姿を消す。最後にトランペットでもの悲しい曲を奏でながら最後の道化師がテントの奥へ姿を消し、スポットライトが静かに閉じられて映画は終わる。
サーカスの中の一番の人気者たちがその全盛期を過ぎ、やがて忘れられていく様を描きながら、幼い頃に夢中になったフェリーニ自身の懐かしい思い出を重ねたこの作品は、ある意味、フェリーニのフェリーニらしい、そして、フェリーニ映画のエッセンスを理解する上で見逃してはならない作品であると思います。
ただ、ドキュメントタッチで語られるために、終盤はさすがに眠くなってきたのも正直な感想ですね