くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「少女たちの羅針盤」

少女たちの羅針盤

何の前触れもなく突然公開された長崎俊一監督作品。見る予定もなかったが、今日は「逆転裁判」のエキストラで終日空けていたのだが午前中で終了したため急遽見てきた。

まぁ、たわいのない作品である。というか、取るに足りない。しかし、作品の中で劇中劇のように地元の舞台で劇団羅針盤が初めて演じた演目のシーンが実に素晴らしかった。劇中での台詞をオーバーラップさせながら舞台と客席を交互にとらえていくショットはとにかくわくわくさせてもらいました。それに全体を通して成海璃子が抜群にいい。台詞もしっかりしているし、なんといっても演技になっている。他の忽那汐里草刈麻有森田彩華などはほとんど素人レベル、さらに真犯人である黒川智花は全くだめだった。結局、成海璃子以外が今ひとつぱっとしないために、ミステリーとしての迫真のイメージが盛り上がってこないのが今ひとつの作品に仕上がったゆえんだろうと思う。

出だしはいい。電車でとある廃墟でのドラマ撮影にやってくる一人の女優。そこで撮影されるのは4年前福山の劇団羅針盤のメンバーの一人が殺されたというないようの物語。どうやらこの女優が犯人らしく、わざとらしく追いつめる展開が続くが、何ともお粗末。それと交互して、かつて劇団羅針盤が結成され地元で評判になっていく下りも描かれるが、成海璃子だけがしっかり演技をしているためにおもしろみがない。一方、ドラマ撮影の監督が「劇団羅針盤にいたんですよね」と女優に語りかけ、さも劇団羅針盤がすごかったかのようになんども語りますが、フラッシュバックで描かれる活躍シーンもただの高校生のパフォーマンス劇団程度にしか見えない。当然、全体にストーリーに広がりが見えてこないために。実は4年前一人の劇団員を殺したのは実はその姉であったという種明かしも薄々見えてくる。

クライマックスで、真相が明らかになる下りも凡々たるものであっさり終演。まぁ、期待もしてなかったし成海璃子が活躍していたから良いとしようという程度の映画でした。