山本薩夫監督が描いた娯楽時代劇「忍びの者」の続編。
織田信長の家来に子供を殺された伊賀忍者石川五右衛門が恨みを晴らすため紀州雑賀党に身を隠し、明智光秀を巧妙に操って本能寺の変を起こさせ本願を果たす物語。
といっても本能寺の変は中盤にあり、さらに物語が続いて、豊臣秀吉等に攻めこまれ、妻を殺され、豊臣秀吉暗殺のために単身秀吉の寝所である聚楽第へ忍び込んだものの秀吉をまもる廊下のしかけや天井のしかけなどに翻弄されとらえられてしまう。そして、釜ゆでの刑に引き連れられるところでエンディングとなる。
痛快娯楽時代劇といえるエンターテインメント映画で、本能寺で信長を追いつめた五右衛門が信長の手や足を切り落とす残酷場面から、一気に焼き尽くす展開まで、かなりフィクションも交えられている。
徹底した娯楽性で語られるストーリーに山本薩夫らしい社会性とかはほとんど見受けられないが、荒唐無稽というより忍者の存在をリアリティで描ききるスタイルは前作同様。そして、これが当時の大作の定番として、ひたすら市川雷蔵の魅力満載に展開するストーリーがなんともたのしいです。爆破シーンやチャンバラシーンも迫力満点で、これぞ大作映画といわんばかりに見せ場が続くストーリーに、飽きることなく最後まで楽しめました。
