くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ゴジラの逆襲」

ゴジラの逆襲

ゴジラシリーズの一本とはいえ、なんとも安易な脚本とストーリー展開である。いまでこそ、ゴジラというと世界的なブランドになったが、当時はまだまだ下手物映画の一本だったのだろう。

それでも、大阪でのアンギラスゴジラの死闘場面はさすがに円谷英二の特撮爆発という見事なシーンでした。これだけでもみた甲斐があったというものです。
ただ、その後海に帰ったゴジラが再び北海道の離れ島に上陸、そこで雪崩に埋もれてしまうラストシーンまではとってつけたようなストーリーが切り張りされたように展開するのは何とも陳腐ですね。第一作の伊福部昭さんのテーマのないし、本多猪四郎の不気味な演出もない、練り上げられた脚本の迫力も今一つです。

しかし、ここまでのゴジラはやはり悪役で怪物だったのです。この後、次第に子供の見方になってしまう。その意味では見応えのある一本だったと思います。

昔、テレビでみたきりでしたが、第一作が東京、この第二作が大阪、しかもコテンパンに年を破壊し、焼け野原にするまるで戦禍の再現のようなシーンが描かれるのはやはり時代性と、ゴジラシリーズの本来のテーマは踏襲されていると思います。

モノクロスタンダードで作られた一本ですが、果たして今後スクリーンでみる機会があるかどうかという珍品でもあるし、みて損のない映画でした。
というより、私のような世代にはやはりゴジラはどの一本も宝物なのですよね。