「4:44地球最期の日」
「バッド・ルーテナント刑事とドラッグとキリスト」のアベル・フェラーラ監督作品なので見に行ったのだが、なんともしんどい作品だった。
題名とは裏腹によくあるスペクタクルは全くない。翌日に地球最期の日が迫った社会を舞台に主人公シスコとその恋人スカイが一つの部屋で暮らしている。その姿を延々ととらえながら描くいわゆる監督の感性の映画である。
町では時折悲観して自殺する人のシーンなども描かれるものの基本的に何の変化もほとんどみられない日常である。テレビのニュース番組は繰り返し最期の日を報道しているがそれも最期にはキャスターも帰ってしまう。
シスコは元妻にスカイプで連絡してみたり、娘と会話したりする。デリバリーでやってきた配達人にもパソコンを貸したりする。
映像に感性を感じないためにとにかく映像にリズムが生まれてこない。シュールな世界でもないし、終末思想に彩られた宗教感がある世界などでもない。いったいなにをどう受け止める映画なのか結局わからないままにラストシーン、オーロラで彩られた朝が描かれて映画が終わる。
ラース・フォン・トリアーの「メランコリア」と比べると極端に感性に乏しい一本だったような気がします。
「エクスペンダブルズ2」
全編ドンパチの連続、単純そのものの娯楽映画。第一作同様派手な導入シーンからあれよあれよとロートルのアクションスターたちがところ狭しと撃ちまくる。
今回はご老体アーノルド・シュワルッツネッガーが登場ということでそれが一つの見所というか、怖いもの見たさで見に行きました。さすがに走り回るシーンはないし、どでかいショットガンをどんどんと撃ちまくるクライマックスがそのメイン登場シーン。
今回も、至る所のお遊び満載のせりふがちりばめられ、ジャン=クロード・ヴァン・ダムが悪役のボスになって非道なリーダーぶりを発揮。旧ソ連が隠したプルトニウムを略奪するのをスタローンたちが阻止するというのがメインの話だが、そんなストーリーはどうでもいい銃火器大サービスシーンの連続で気がつくとエンディング。
第一作のストーリーも全然覚えてないが、たぶん今度もすぐに忘れてしまうだろうなという内容のお気楽な娯楽映画でした。でも、監督はサイモン・ウェストですからそれなりのエンターテインメントに仕上がっているからすごいね。