世界的なデザイナーレオナルドはル・コルビュジエが設計したクルチェット邸二すんでいる。ある朝、物音で目を覚ましてその音の原因を探していると、なんと向かいの家の壁がぶち割られてこちら側に窓が開こうとしている。自分の家の中が丸見えになると懸念したレオナルドは早速抗議するが、向かいの男ビクトルは訳の分からないことを繰り返しながらはぐらかしていく。
不思議な展開でストーリーが進むこの奇妙な映画、出だしのタイトルシーンから右に真っ白な壁左にグレーの壁を映した画面にハンマーがたたきつけられ、中と外が同時に写されるというシュールなクレジットシーンから始まる。
実際にあるクルチェット邸に現代アートを配置して描かれる物語は、意味があるのかないのか?レオナルドの娘は父に反抗的で朽ちも聞かないし、妻も何か煮つけ自分中心の行動をとる。向かいのビクトルはずうずうしいのか異常なのか執拗にレオナルドに絡んでくる。
何のメッセージがあるわけでもないようで、現代アートの芸術家たちがタイトルや映画の中のクレジットのイラストなどに参加し、ワンシーン・ワンカットの不思議な映画として完成させている。
といって、話が難しいわけではなく、ストーリーは至ってシンプル。
娘を残して出かけたレオナルド。ところがその留守に不良の家宅侵入者が娘を拉致、それをみたビクトルが猟銃で追い払いにくると逆に撃たれてしまう。そしてビクトルが死に、窓は埋められて映画が終わる。
なんだったの?そんな??の中で映画館をでる。不思議体験の一本なのでした。