くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」「県庁おもてな

探偵はBARにいる2 ススキノ大交差

「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」
テレビスペシャル以上、映画未満の薄っぺらいけど軽いドラマが展開するのは第一作同様。これというほどの奥の深いものはないが、どたばたの中に見せるちょっとしたサスペンスがこの物語の魅力であるからこれもまたいいとしよう。

今回の第二作は第一作よりもストーリーが整理されていて、シンプルに楽しめる一本に仕上がっていました。物語の三分の二はあってもなくてもいいようなドタバタ劇で、さりげなく挿入されていた伏線が一気に最後の最後で真相を明らかにする構成になっている。ありきたりかもしれないが、これはこれで楽しかった。

北海道ススキノ。一人のニューハーフが殺される。その真相を明らかにすべく、主人公の二人のドタバタコンビが奔走する。マジックで全国で有名になったニューハーフマサコ、全国大会優勝の二日後に殺される。そのあと、主人公の探偵がなぜか女におぼれるシーンが挿入される。これって必要?

そして本編、どうやら殺人に原発反対を訴える政治家橡脇孝一郎が絡んでいるらしく、その政治家を守るやくざ連合が絡んできて、どんどんアクションシーンが増えるが、これというほど見応えのあるアクションもなく、そこへ、マサコがファンで、有名なバイオリニスト河島が絡んできて、すべての伏線がラストで一気に明らかになる。

実は、マサコが有名になることで、心配していたのは、かつて愛していた橡脇孝一郎との関係ではなく、子供の頃に別れた妹でいまや有名なバイオリニストの河島だったという展開。そして、結局マサコを殺したのはススキノで客引きをしていたしがない男で、その真相がふとしたシーンで探偵に暴かれ、逃げた男は交通事故で死ぬ。

一方で、真相を知らず橡脇孝一郎を犯人と信じる河島は、その講演の場で刺し殺そうと包丁を持って登場。それを探偵が守ってエンディングへとつながる。

確かに、終盤の真相解決の展開は爽快である。それまでのシーンがよく考えるとぜんぜんどうでもいいことで、このシリーズのムードを作り出すためだけのシーンというように見えるのは映画としてどうなのだと思えなくもない。

まぁ、そう、堅く考えずに、軽いサスペンスとして楽しめればこの映画は楽しかったのではないかと思います。


県庁おもてなし課
有川浩原作というだけで見に行った一本です。
例によって緩いドラマ展開。これが有川浩作品の映画化の特徴でもあります。ただ、演技のできる俳優さんが演じている場面だけが引き締まる。「阪急電車」の中谷美紀、「図書館戦争」の岡田准一、そしてこの「県庁おもてなし課」の船越英一郎である。
少々、サスペンスドラマの臭い演技が見えるところもあるが、さすがに貫禄のあるシーンを見せてくれる。

そして、彼がでている以外の場面はゆるゆるである。しかも錦戸亮の演技がへたすぎ。「ちょんまげプリン」の時はそれほど気にならなかったが、今回は、アップになるたんび、せりふをしゃべるたんびにどっちつかずになる。それにつられて堀北真希もトーンダウン。これは、本人の演技力もあるが、監督の演技指導のよわさにもよる。

とはいえ、全体が緩やかに流れる有川浩の物語が、その緩い流れのままにゆっくりとほわほわと薄っぺらく流れてエンディングを迎えたときは何か残るものがあるのも不思議である。

この作品でも、おもてなしをするという意味を大きなスケールでとらえ、それをしっかりとメッセージとして語っていく。映画としては凡作ながら、原作のイメージを映像にした点ではまぁ、これくらいでいいとしよう。

高知県を舞台に、観光誘致のためにもうけられた県庁おもてなし課、そこに、かつて「パンダ誘致論」という企画を持ち出して、県庁を騒がしたものの結局追い出された伝説の職員清遠をアドバイザーに迎え「高知県レジャー化計画」を打ち出し、それに奔走する職員の物語を中心に、伝説の職員清遠の娘と、かつての妻の連れ子の娘のラブストーリーを絡め、さらに主人公掛水と臨時職員の明神との淡い恋物語を描いていく。

ゆるゆるの物語とちょっと切ないラブストリーと、さりげないメッセージが混じったふつうの映画ですが、退屈もしないし、堀北真希ちゃんかわいいし、まぁ、いいとしようという感想です。