くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「セレステ∞ジェシー」(セレステアンドジェシー)

セレステアンドジェシー

不思議な空気のある映画です。めまぐるしい会話の応酬、ハイテンポで切り替わるシーンからシーンのリズム、落としどころが見えにくいストーリー展開。でも、どこか切なくて、どこかものすごく純粋で、そして、何かを考えさせるラブストーリーの秀作、それがこの映画です。

オープニングタイトルのバックに流れるリリー・アレンの曲が採ってもキュートで、一気に物語の中に引き込んでkる得ます。車の中にはこの作品の主人公、ジェシーセレステ。結婚して六年になるが、離婚を決意して半年になる。そかし、いつも二人は一緒で、隣に住んでいる。しかも、ことあるごとに一緒に時を過ごしているのです。

この日も二人は一緒に車で帰る。中で恋人同士のようにふざけあっていてとっても仲がいい。そんな様子に、親友のベスもその彼氏のタッカーも、かえって、いらついてしまうのである。

セレステはキャリアウーマンで、いいたいこともしっかりと主張し、悪くいうと人を見下ろしている風が見える。一方のジェシーはいつまでもアーティストになる夢をあきらめず、売れないイラストを描いている。この映画の最大の欠点が、この二人の職業の描写が弱いこと。そのために、本編のラブストーリーとごっちゃになって全体が緩くなってしまっているようである。

ある日、ジェシーはヴェロニカという女性との間に子供ができたから、ちゃんと離婚しようとセレステに告げる。本来、離婚のために別居しているのに、いざ、そう告白されてセレステは一気に不安定な心になる。このままいつまでも仲良しでいられるはずだったのに。そのちょっと切ないセレステの心境の変化、心の揺れ動きが物語の後半となり、夫婦とは?恋愛とは?男と女とは?を問いかけてくるんです。

親友のベスもタッカーと結婚式を挙げる。やがてヴェロニカのおなかはどんどん大きくなってくる。セレステがヨガ教室で知りあったポールとも今一つ煮えきらないのであるが、一つ一つ、自立への道を歩んでいくセレステの毎日が描かれ、やがて、正式な離婚の手続きの後、二人はキスをして別れ、セレステはポールに、けじめが付いた旨を連絡、コンビニで、今までなら割り込んでくる人に高飛車に抗議していたのに、今度は無言で見つめていると、割り込んだ人が自発的に謝って理由を告げる。その言葉におもわず自分が一つ成長したことを自覚するセレステのアップで映画は終わる。

落としどころがオブラートに包まれたような不思議な感覚の作品であるが、その意味でちょっと不思議なオリジナリティのあるラブストーリーとして心に残る一本でした。でてくる女優さんどれもが、アメリカ的なグラマラスではなくて、すっとした愛くるしい魅力的な人ばかりなので、その点でも気に入ってしまった。絶賛する映画ではないけれど、ちょっと、みてみたらいいかなという映画です。