くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ストラッター」

ストラッター

ロックを中心にした音楽映画である。出だしから、リズム酔い局がカバーし、黒地に白抜き文字でテンポよいクレジットノアと、第一章というテロップから映画が始まる。

主人公ブレットが車に乗り込んで、友人のところへ。これから恋人ジャスティーンと一緒に暮らすことになったとうれしそうに話しながら別れ、6時間後。ジャスティーンから別れを告げられ、失意の中にブレットが落ち込んでからが本編になる。

音楽のリズムは実に調子よくて、流れる曲の挿入も絶妙なのに、映像のテンポが全くついていかないために、何ともちぐはぐな画面が展開。モノクロームで統一した色彩は映像へのこだわりを見せるのだが、どうもこれといって魅力のあるカットも存在しない。

DJをし、音楽の師と仰ぐデイモンにどうやらジャスティーンをとられたらしいことから、やたら絡むブレット。時折、ギターを弾きながら歌うシーンが交錯する。

やがて、デイモンもジャスティーンと別れ、母親の恋人のフランクとデイモン、ブレットの三人が車でツアーに出かけ、ツアーを終えて帰ってきたブレットを待っていたのが、以前から親しかったが、ジャスティーンが忘れられないブレットに距離を置いていたクレオとの、恋の始まり。そして物語は終盤へ進む。

シンプルなストーリーで、映像と音楽のリズムで描いていく作品なのだが、中途半端なミュージックビデオクリップのような出来映えで、終始採掘で仕方なかった。

見て損をしたと思えるほどの駄作とはいえないまでも、映画として完成されていないように思える。ちょっと残念な一本といえなくもない映画だった。