くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「偉大なる、しゅららぼん」「ホビット 竜に奪われた王国」

偉大なる、しゅららぼん

偉大なる、しゅららぼん
万城目学原作の、例によってご当地伝奇ストーリー。今回は琵琶湖である。

一人の赤ん坊が神殿におかれ、なにやら訳の分からない儀式の後、額の上の杯の水が飛び、日出家跡継ぎ誕生。帰り道、敵対する棗家と出会い、お互いに跡取りが誕生したシーンから、物語背景が語られる。

人の心を操る能力がある日出家と物理的な能力のある棗家、物語は分家の息子日出亮介が修行のために本家にやってくるシーンに始まる。

たぶん、万城目学原作の映像作品では一番ましな作品に仕上がっている。ストーリーは例によって、仰々しいお話のはずが、こじんまりとした小さな空間の諍いの物語で、毎回、がっかりするのだが、今回はまるで「十戒」の紅海の分かれる名シーンのようなCG特撮があるために、妙にスケールが大きいかのように錯覚する。

ただ、全体のストーリー展開は、実に単調で、ラストの、真相がはっきりする場面の、さりげなく、その後の、感動的なエピローグも演出不足が目について、まぁ、ふつうの映画である。

ただ、深田恭子がでてくると、映画が締まる。これはさすがに、彼女のカリスマ的な魅力故だろう。ほかの俳優が、実にへたくそなので、冒頭シーンは見ていられないのである。特に速見沙月を演じた大野いと、彼女が全く魅力がないので、主人公淡十郎が一目惚れする導入部が全く光らない。

今回岡田将生もよくないし、配役の弱さが作品に反映した感じですね。ただ、棗亮介や淡十郎らが、棗家の道場で、作戦を練るシーンは、カメラをたいそうに回転させて、長回しし、ワンシーンワンカットを思わせるようなカメラ演出はなかなかのものである。

しかし、結局、ストーリーの組み立てにピリッとした味わいがなく、淡々とラストに向かうのは、今までの万城目作品同様。

つまらないわけではないが、絶賛するものでもない。ただ、深田恭子は未だにかわいいのは、特筆すべきである。


ホビット 竜に奪われた王国」
壮大なCG特撮ワールドの世界、ただそれだけで、どういうお話なのか、前作からのつなぎも忘れてるし、とにかく、恐ろしいほどのファンタジーワールドに釘付けにされる作品でした。

三部作の真ん中なので、前作を受けて、最終へ引き継ぐためのエピソードの羅列と、登場人物の紹介が中心になる。もちろん、平凡な特撮シーンではなくて、縦横無尽に移動するカメラワーク(というか、CGアニメの動き)を堪能できる一本で、特にクライマックスのドラゴンとビルボたちのバトル戦は、特筆に値するほどのすばらしい演出になっています。

ロード・オブ・ザ・リング」で大人気になった、オーランド・ブルーム扮するレゴラスの華麗なアクションシーンもふんだんに取り入れ、ガンダルフにからめた闇の魔王の登場シーンも挿入、これでもかという見せ場の連続ですが、いかんせん、全く頭の中で一つにならない。

まぁ、今回の物語をしっかり覚えていれば、最終話で、大団円を迎えるのに納得いくのだろう。決して退屈ではないが、三時間ちかい長尺はやっぱりしんどい。