くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ファイ 悪魔に育てられた少年」

ファイ

ちょっと期待していた韓国映画なのだが、冒頭の幼い映像に、辟易し、退屈になりかけたまま、前半を見ていたら、眠くなってしまった。

意味ありげな映像やカットが続く中、幼くして殺人強盗団に育てられた、ファイという少年が、やがて、思春期になり、自分の真相を知るに及んで、鬼に変わっていくというストーリー展開である。しかし、このファイという少年の人物像の描写が非常に弱い。

一方、彼を育てた強盗集団のリーダーであるソクテの不気味さも、今一つ際だたない上に、その背後にある黒幕の男の存在も、妙にストーリーを複雑にしただけで、まとまりのない展開に終始する。

結局クライマックス、ファイが、やたら殺戮を繰り返し、復讐していく様は普通の映画になってしまった。

映像にこだわりがあるわけでもなく、といて、ストーリーテリングに妙味が見られるわけでもない。たわいのない2時間のドラマという作品が、悪くいうと、どこがヒットの原因かと思ってしまう。

ファイが心を寄せる同年代の少女が、突然終盤に関わってきたり、慕っている母親的な女性の存在も今一つわかりづらい。本当の両親なのか?と思わせる片足の男とその妻の背景も見えてこない。

統一感のない脚本で突っ走った感じがしないでもない一本で、この作品を素直に楽しみ、評価する方がいれば是非教えてほしいものだと思う。

決して見て損はしたとは思わないが、なにか、まとまりがない映画だった。