くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ニンフォマニアック Vol.1」

kurawan2014-10-22

ラース・フォン・トリアー監督が次に選んだテーマは、女性の性である。過激なし描写を売り文句にした二部構成の第一部を見に行きました。

さすがに、しんどかった。

映画が始まると、レンガで囲まれた路地。雪が降り、溶けた水が滴り、ハードロックのようなメインタイトル曲が流れる。オープニングで手首のアップに始まり、カメラがゆっくりと路地の中を縫っていくと、一人の女性、主人公のジョーが倒れている。そこに一人の老人セリグマンが通りかかり、ジョーを連れて自宅へ。傷だらけのジョーは、セリグマンに、自分の少女時代からの衝撃的な過去を語り始める。

友人のBと風呂場で下半身を出して遊ぶ幼い頃の告白に始まり、その後、処女を奪って貰うべくせまった、青年ジェロームの話、その後は、次々と男性に抱かれないと耐えられない、自分の性の異常さを語っていく。

こう書くと、SEXシーンの繰り返しのごとく聞こえるが、実際は、セリグマンに赤裸々に語るジョーの言葉と、それに哲学的なコメントを交えて話すセリグマンの言葉が、物語を覆うのである。一晩に7人から10人との関係を持たざるを得なくなるジョーだが、クライマックスに、抱かれている最中に「なにも感じなくなった」と叫んで暗転、映画が終わる。

過激な性描写は、後半へ続くという感じであるが、さすがにラース・フォン・トリアー監督、作品全体に不思議な哲学が見えてくるから不思議である。一章二章とチャプターで物語は進むが、中盤がかなりしんどくなる。終盤にジョーの裸のシーンが立て続けに出るものの、それまでは比喩的な映像も多々あり、ちょっと形而上学的な演出は、かなりこたえる。

劇的な展開と映像は後半に期待という感じですね。
若き日のジョーを演じたステイシー・マーティンという女優さんが監督の好みか、本当にガリガリで魅力がないのが個人的には残念な一本だった。