くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「レクイエム 最後の銃弾」

kurawan2014-10-24

典型的な香港映画、次々と即興で展開していくストーリーに、あれよあれよと引き込まれて、クライマックスは、例によって派手な銃撃戦の末に、男のロマンで敵も味方も死んでしまって大団円。香港ノワールのお手本のような映画でした。

本来、ハル・ベリー主演の映画を見に行くつもりを、映画友達に絶賛されて、急遽見に行った次第の一本。二時間あまり十分に楽しませていただきました。持つべきものは映画友達ですね。

物語は、三人の麻薬捜査官の刑事のお話。うち一人のチャウは麻薬組織に潜入し、組織のボスであるハクを捕まえる寸前になっている。上司のティンと同僚のワイらは、いよいよハクを捕まえるという段になり、上からの命令で、さらに大物のタイの麻薬王ブッダを捕まえるべく作戦を変更する。

悩みながらも、次の作戦に向かうチャイ。そしていよいよという段になり、チャイはブッダに情報を漏らす。そのため作戦は失敗、ブッダはヘリコプターによる攻撃でティン等は窮地に追い込まれ、何とかブッダの娘を人質にするが、駆け引きの中でワイが撃たれて崖の下に落ち、死んでしまう。

それから五年、ティンは左遷され、チャイは出世して麻薬取り締まりのリーダーとなっている。そんな折り、タイのブッダと香港の新興勢力の諍いが起こり、その場に駆けつけたティンとチャイは、そこで生きているワイと再会するのだ。

え?え?という展開が、どんどん話を広げていくのが香港映画らしくていい。しかも、ワイは、ブッダの娘の夫になっているのだからこれまたすごい展開である。

落ちた崖の下には鰐がいたのに助かったの?と思いながらみていると、最後の最後で、なぜ鰐に食べられなかったのか、なぜブッダの娘と結婚したのかを説明するあたり、本当にとってつけたストーリーで笑える。

ワイは、ティンやチャイへの半ば復讐のために五年間を過ごしたのだが、最後にもう一度友情を取り戻し、ブッダを倒すべくクライマックスへ。その前に、ワイのお母さんを三人で看取るという、これもどこからわいてきたのというエピソードも挿入され、ラストは、派手な銃撃戦の末に、銃弾に倒れていく。

よく考えると、かなり無理のある脚本を、最後につじつま合わせていく構成に笑えてしまうのだが、それでも娯楽映画として楽しませてくれる香港映画の迫力を堪能させてくれる一本。いや、これがエンターテインメントですね。