くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「祝宴!シェフ」

kurawan2014-11-06

全編脳天気に突っ走る台湾コメディの佳作。とにかく、何の中身もうんちくも、こった設定も台本のおもしろさもないはずなのに、二時間半ほどが全く退屈せずにラストシーンまで楽しんでしまう。この、魅力はどこにあるのだろうかと、見終わってから思い返してみるが、思い出せない。ただ、楽しかった。

監督は、16年ほど前に世界に衝撃を放ったヒットメーカー、チェン・ユーシュンである。

映画は、伝説の料理人の娘シャオワンが、都会へでていってモデルになろうとするも芽が出ず、巨額の借金を恋人にかぶせられて故郷へ戻ってみると、なんと、母は料理に全く才能がなく、それでも陽気な毎日をおくっているが、宴席料理大会にでることになる。

そこに、借金取りは助手として入り込むし、かつての父の師匠はボケてしまって、不思議な味わいで物語に参戦、さらにその娘は見よう見まねで絶品の料理をアドバイスする。
さらに、シャオワンの追っかけのような三人組のコミカルなキャラクターや、シャオワンの店の向かいの主人が2500年の歴史のある醤油を提供したり、アレヨアレヨと、個性的な登場人物が飛び出してくる。
地下鉄線路際に住むホームレスの料理人の絶品料理などなど、決して綺麗事のお涙頂戴感動ドラマになっていない。

クライマックスは、宴席料理大会での一騎打ちなのだが、あるのかないのかわからないが、次々と繰り出される独創的な料理が物語を彩る。

物語の展開は即興的だが、多彩な人物がストーリーを語っていく感じで、CGを多用した安っぽい特撮シーンもまた一興。

アレヨアレヨと見ている間にエンディング。あれ?もう二時間半たったの?という感じなのである。この語り口、オリジナリティはクセになるかもしれない。そんな一本でした。