くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「エイプリルフールズ」「ミスター・スキャンダル」

kurawan2015-04-01

「エイプリルフールズ」
監督は石川淳一、脚本古沢良太と、今や売れっ子のコンビだが、待った気古沢良太は完全に脂がのりきっているという感じ、とにかく、映画は最高によかった。大好きなパターンである。

宣伝では、エイプリルフールの一日を笑い飛ばすおふざけ映画だと思っていたが、なんの、どんどん物語はドラマ性を帯びてきて、終盤では、一気に感動の渦の中に放り込んでくれる。いつの間にか、笑いを求めていた自分が、熱くなって涙している姿に出会うのである。

様々なエピソードがとってもほほえましいし、それが決して悪ではなく、人間賛歌になっていくのである。だからすばらしいのだ。人生ってこんなに楽しい?すばらしい?人間ってこんなにいいの?そんな感動に浸ってエンディングするのである。

まず、戸田恵梨香の演技力にまず驚嘆。導入部のエピソードで彼女の演技で一気に物語に引き込んでしまう。改めてファンになった。

物語は、SEX依存症的な女好きの青年に妊娠させられたと自宅から電話をする女性、続いて、その青年が次のターゲットと食事をする場面、一方で、一人の小学生がいかにもやくざ風の男にくるまで誘拐される。また、皇室だといわんばかりの夫婦が、タクシーの運転手に慇懃にもてなされている。怪しい占いのばあさんが怪しい占いを始めている。

それぞれが、いかにも嘘っぽくて、いかにも、悪ふざけなのだが、それぞれがそれぞれにストーリーを発展させ、最後に様々なところで絡み合っていることを描いて、しかもそれぞれ本物だったと締めくくる。うまい。これが脚本のおもしろさだと思う。

久々に、すっかりスクリーンに引き込まれ、泣いてしまいました。よかった!!


「ミスター・スキャンダル」
名匠マイケル・ウィンターボトム監督作品なので、見に行った。

イギリスで、派手なストリップショーや過激な雑誌で英国一の大富豪になったポール・レイモンドの半生を描いたドラマだが、なかなか見応えのある良質の映画でした。

昔のフランス映画のようなきれいなタイトルバックのあと、主人公ポールが、孫娘をつれて車に乗っている。物語は、彼が妻と知り合った頃にさかのぼり、モノクロームの映像がしばらく続いた後、やがて、事業が軌道に乗り、過激なポルノショーのヒットでどんどん成功していく姿を描いていく。

モノクロからカラーへ移る転換が実にスムーズで、愛する娘との二人三脚のような事業活動の傍ら、派手な女遊び、離婚、息子との別れなどが語られ、娘の乳ガンから、薬物による急死というラストシーンでエンディングとなる。

ストーリーの展開のうまさは、やはりセンスのある監督が行うと、違うなと思わせるだけ十分なクオリティもあり、映像も美しく、色の使い方もうまい、いい映画だったと思います。